オーストラリアとシンガポール、グリーン経済協定の締結目指す

(オーストラリア、シンガポール)

シドニー発

2021年10月13日

オーストラリアのダン・テハン貿易・観光・投資相は10月11日、シンガポールのガン・キムヨン貿易産業相とともに、グリーン経済協定(GEA)の締結を目指して共同ビジョン声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。両国は、グリーンで持続可能な未来への移行を加速し、雇用の創出と温室効果ガス排出量の削減に貢献するため、GEAの交渉に取り組む。

GEAは、環境物品・サービスの貿易や投資における非関税障壁を取り除き、低排出技術の導入を加速化することを目的とした協定で、2021年6月にオーストラリアのスコット・モリソン首相とシンガポールのリー・シェンロン首相がGEAの検討開始に合意。同年9月22日に交渉を開始した。

今回の声明では、グリーン成長や経済協力、気候変動に関する両国の協力を促進するための実践的かつ具体的な取り組みに焦点を当てる方針を示した。声明はまた、環境により優しい経済へ移行し、気候変動問題に対処しながら、生活の向上を目指す点を強調した。

テハン貿易・観光・投資相は「オーストラリアとシンガポールは、低排出技術の導入を促進し、そのコストを低減することによって、両国の排出量削減に努める」と述べた。両国は2020年10月、低排出技術の推進に取り組む協力覚書を締結したほか、2021年6月には港湾・海運産業での水素やアンモニア利用の実証で連携する方針を打ち出している。

(住裕美)

(オーストラリア、シンガポール)

ビジネス短信 057803f5b47086fe