10州・1連邦直轄地で新型コロナ制限緩和、「国家回復計画」第2段階以上へ

(マレーシア)

クアラルンプール発

2021年09月10日

マレーシアのイスマイル・サブリ首相は9月2日、新型コロナウイルス対策で4日からマラッカ州を「国家回復計画(National Recovery Plan:NRP)」の第1段階から第2段階へ、ネグリ・センビラン州をNRPの第2段階から第3段階へそれぞれ移行することを発表した。また、観光業の回復を目的としたトラベル・バブル・プログラムを開始することを発表した。

マラッカ州とネグリ・センビラン州の移行により、4日時点でクランタン州、トレンガヌ州、パハン州、ペラ州、ペナン州、サバ州、マラッカ州の7州がNRP第2段階、ペルリス州、サラワク州、ラブアン、ネグリ・センビラン州の3州・1連邦直轄地がNRP第3段階となった。

州をまたぐ移動は依然として禁止しているが、第2段階以上の地域では州内の地区をまたぐ移動は緩和している。制限内容の詳細は、国家安全保障委員会(NSC)が9月3日付で発表した標準作業手順書(SOP)(NRP第2段階SOPPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)NRP第3段階SOPPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))(注)を参照。

第2段階から第3段階への移行については、(1)1日当たりの平均新規感染者数が2,000人以下、(2)集中治療室(ICU)の利用状況が適度なレベルに回復、(3)ワクチンを2回接種した人の成人人口比率が40%以上となっている。また、成人人口のワクチン接種率が50%を超えた州・連邦直轄地では、上記(1)の条件を、人口10万人当たりの感染者数が1日当たり3.0人以下を閾値(いきち)として新規感染者が本値を超えないことで判断する。9月6日時点では、ケダ、クランタン、サバを除いた州・連邦直轄地では既に成人のワクチン接種率が50%を超えている。

NRP第2段階以上に移行する州・連邦直轄地が増え始めたことと、ワクチン接種率が全国的に向上し始めていることから、マレーシア政府は観光業の回復を支援するべく、バブルプログラムを開始し、9月16日からパイロットプロジェクトとして、ランカウイ島への国内観光を再開する。また、他の観光地についても、域内住民のワクチン接種率が80%以上に達することを条件に、国内観光の再開を行う予定だという。

(注)マレー語のみ。

(関淑怡)

(マレーシア)

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