中国3大展示会の1つのサービス貿易交易会、北京で開催

(中国)

北京発

2021年09月13日

北京市で9月2日から開催されていた中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)が9月7日に閉幕した。

この交易会は、上海市で開催される中国国際輸入博覧会(CIIE)、広州市での中国輸出入商品交易会(広州交易会)と並ぶ、中国の対外開放に関する国家級の3大展示会と位置付けられ、新型コロナウイルスのため、前年に引き続き、オンラインとオフラインでの同時開催となった。

会場は、総合展を実施する国家会議中心と、新たに開設された首鋼園展示区の2つに分かれ、首鋼園展示区では8つの専門展(注)が開催され、「デジタルで未来を切り開き、サービスで発展を促進する」をテーマに、各サービス分野に関わる展示が行われた。総出展面積は約13万平方メートルで、展示のほかに5つのサミット・フォーラム、各分野別の200以上のフォーラムが同時開催され、153カ国・地域から約1万2,000社が参加した。

写真 首鋼園展示区の様子(ジェトロ撮影)

首鋼園展示区の様子(ジェトロ撮影)

ジェトロは「越境EC(電子商取引)」をテーマに260平方メートルのジャパン・パビリオンを設け、生活関連用品や工芸品など約50社の商品300点を展示した。現在、新型コロナ禍で日本への渡航が制限される中、中国の消費者にとって交易会はバラエティー豊かな日本製品に直接触れる機会として注目を集めるなど、日本製品に対する強い関心がうかがえた。ジェトロが来場者に実施したアンケートによると、今後購入したい日本商品として健康食品や化粧品、菓子類などが上位に挙がった(添付資料図参照)。また、14社が出展する中小企業出展エリアでも多くの商談が行われ、複数の出展企業で会期途中に商談サンプルがなくなるなど活況を呈した。

写真 ジャパン・パビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ジャパン・パビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ジェトロのほかには、日本の出展者は、国家会議中心の会場に日本電気(NEC)、キヤノン、セイコーエプソン、岐阜県多治見市、首鋼園には日本政府観光局(JNTO)、青森県、秋田県、山形県、新潟県などの各自治体や観光・リゾート地関連企業、ソニー、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、大和証券などが出展した。

中国国内のデルタ型変異株の感染者増加に伴い、北京市内では8月に実施予定だった展示会は全て中止となり、約1カ月ぶりの展示会開催となった。出展者全員に対して2回のワクチン接種が完了していることが出展条件として定められ、会期前と会期中の計2回のPCR検査の実施も求められた。来場者のワクチン接種歴やPCR検査の確認の要求はなかったが、14日以内に国内の中・高リスク地域に滞在歴のある人は北京市への立ち入りが認められないなど、徹底した防疫体制が敷かれた。

開幕日の2日に開催された「中国国際サービス貿易交易会グローバルサービス貿易サミット」では、習近平国家主席が上海市、深セン市に続く第3の証券取引所を北京市に設立すると発表したほか、北京市などにサービス業拡大開放の総合モデル区を設立し、科学技術イノベーション、サービス業の開放、デジタル経済を特徴とする自由貿易試験区を設立すると述べた。

(注)通信、コンピュータ・情報サービス、金融サービス、文化・観光サービス、教育サービス、スポーツサービス、サプライチェーン・ビジネスサービス、エンジニアリングコンサルタント・建設を指す。

(唐澤和之)

(中国)

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