新型コロナワクチン未接種者の感染症への認識不足が明らかに、米シンクタンク調査

(米国)

米州課

2021年09月28日

米国シンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは、9月24日に新型コロナウイルスのワクチン接種者とワクチン未接種者との認識の違いに関する調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。

それによれば、ワクチン接種者(少なくとも1回接種)の70%が新型コロナウイルスを社会的脅威と捉えているが、ワクチン未接種者では37%にとどまった。

新型コロナウイルスに感染し入院の可能性もあることを懸念しているのは、ワクチン接種者では50%、ワクチン未接種者では32%。自身が自覚なく新型コロナウイルスの感染源となる可能性を懸念しているのは、ワクチン接種者では66%、ワクチン未接種者では38%と、ワクチン未接種者の感染症への認識が低いことを示した。

米国疾病予防管理センター(CDC)など公衆衛生当局が発表する新型コロナウイルスへの予防対策については、ワクチン接種者の72%が「最新の科学的根拠に基づき意義がある」と捉えているが、ワクチン未接種者はその割合が32%にとどまった。ワクチン未接種者は、予防対策については62%が「最新情報を入手できることで安心できる」と受け止めているが、ワクチン未接種者は23%だった。

逆に、ワクチン未接種者は78%が「公衆衛生当局は重要情報を隠蔽(いんぺい)していると疑う」と認識しており、ワクチン接種者の47%と大きな差が生じている。「公衆衛生当局の勧告への信頼性が薄い」とする人は、ワクチン未接種者では75%、ワクチン接種者では43%となった。

客観的情報を参考にする人がワクチン接種を行う傾向

同センターが9月23日に発表した調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)によれば、新型コロナウイルス関連の最も信頼できる情報源を選んでもらい、情報源ごとにワクチン接種を(少なくとも1回)行った人の割合をみると、全国ニュース(83%)や公衆衛生機関(82%)が高かった。国際ニュース(78%)、州政府や自治体(76%)、地域のニュース(72%)も比較的高かったが、トランプ前大統領およびタスクフォース(59%)、個人的あるいは地域の知人(58%)は低い傾向だった。

トランプ前大統領およびタスクフォースを最も信頼できる情報源とする人は、年代別では50歳以上が7割(50~64歳33%、65歳以上39%)を占め、人種別では白人が8割を占めた。

(注1)実施時期は、2021年8月23~29日。対象者は、米国の成人1万348人。

(注2)新型コロナウイルス関連の情報源に関する調査:実施時期は、2020年8月20~26日。ワクチン接種状況の調査:実施時期は、2021年8月23~29日。対象者は、両方の調査に回答した米国の成人6,686人。

(松岡智恵子)

(米国)

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