「フレンチ・アグリテック」立ち上げ、5年間で2億ユーロ投資

(フランス)

パリ発

2021年09月09日

フランス政府は8月30日、フードテック・アグリテック分野のスタートアップ支援プロジェクト「フレンチ・アグリテック」の開始を発表した。第4次未来投資計画(2021~2025年)の一環として、同分野の中小企業やスタートアップに5年間で2億ユーロを投資し、技術開発とイノベーションを後押しするとともに、ノウハウの輸出支援を加速し、エコシステムを強化する。

第1回のプロジェクト募集は、9月中に開始する。食の未来の課題を克服するためのイノベーションに重点を置いた「未来の食品需要に応える」(1億1,000万ユーロ)と「アグロエコロジーへの移行を成功させるためのイノベーション」(9,000万ユーロ)の2つのテーマに関し、選定されたプログラムに資金援助を行う。

政府は、「フレンチ・アグリテック」により、(1)気候変動に適応した農業の実現、(2)農薬・肥料の削減、資源のより良い管理など持続可能なアグロエコロジーの実施、(3)デジタル技術・機器を使用することで農業従事者の作業負担を軽減し、経済状況の改善や日常生活を充実させるための支援、(4)廃棄物対策や食品の環境負荷表示など持続的な消費形態の発展と、(5)新たな農業・食糧資源の開発を促進することを目指している。

公的投資銀行(Bpifrance)も、フードテック・アグリテック分野のイノベーション支援を強化する。同行は、同分野の資金供与額を2020年に年間8,000万ユーロから1億3,500万ユーロに増額、今後5年間で約7億ユーロの資金を供与する。

2020年のフランスにおけるフードテック・アグリテック分野の資金調達額は5億6,200万ユーロと、EU加盟国の中では最も多く、世界5位になった。10年前には十数社だった同分野のスタートアップは、現在は215社以上となっている。成長の著しい分野ではあるが、まだ成熟市場とはいえず、投資家の誘致、科学的認証、国内・国際レベルでの成果の可視化など多くの課題も残っている。

政府は、競争力を維持し、欧州におけるリーダーシップを構築するためには、同分野のスタートアップ・エコシステムへの支援が不可欠で、エコシステムを支援することにより、食料主権問題だけでなく国内の雇用創出にも貢献できるとしている。ジュリアン・ドノルマンディー農業・食料相は同日、「フランスを世界的なアグリテックの発祥地とすることを目指す」とした。

(奥山直子)

(フランス)

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