新行政首都建設を担う国営企業、国内株式市場に上場へ

(エジプト)

カイロ発

2021年09月01日

エジプトは、1億人を超える人口を抱え、うちカイロ首都圏には全人口の約2割が集中しているとされている。政府は首都圏の人口増加に対処するため、2016年4月から、カイロから東方約35キロに位置する約720平方キロの更地を開発し、新行政首都の建設を進めており(2019年5月1日記事参照)、各省庁、国会、大統領府、国際空港、21の居住区など、650万人規模の都市となることが想定されている。

エジプト各紙によると、エルシーシ大統領は、8月14日に新行政首都内の公務員向け居住地区の建築状況を視察し、新行政首都開発を担う国営企業ACUD外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますをエジプト株式市場に上場させる(IPO)計画を発表した。2年後にIPOが実現し、大統領が言及した1,000億エジプト・ポンド(約7,000億円、1ポンド=約7.0円)規模の調達が実現した場合、同国過去最大規模のIPOとなる可能性が高く、民間投資の呼び水にもなりそうだ。

民間デベロッパーが開発を進める居住地区は、地区によって建設状況に差があるものの、居住可能な状況になるまでにはかなり時間がかかる状況だ。中心部では、中国国営企業の中国建築(CSCEC)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが高層ビルの建設を進め、新都市には別途、世界最高となる高さ1キロメートルを超える高層ビルを建てる計画も進んでいる。また、官庁地区では、各省庁の本部が入居予定のビル群は、ほぼ建設が完了している。新省庁への移動は、段階的に行われる予定だ。

写真 中国企業が開発中の高層ビル(ジェトロ撮影)

中国企業が開発中の高層ビル(ジェトロ撮影)

写真 建設が完了した官庁ビル群(右側)(ジェトロ撮影)

建設が完了した官庁ビル群(右側)(ジェトロ撮影)

新行政首都は、エルシーシ大統領の成長計画の中心となるもので、スマートシティーとしての開発が計画されており、モノレールを含む新交通の導入、電気・ガス・水道などの生活インフラの効率的な管理、市内全体への監視カメラの設置、再生可能エネルギーの活用などが掲げられている。もっとも、海外企業が注目する分野の交通インフラに関しては、主要道路およびモノレールの建設以外はほぼ手つかずの状況にあり、今後、新たな国際空港の建設や、都市交通システムの計画が進む中、ハード・ソフトの両面で各種技術を売り込む余地がある。

(福山豊和)

(エジプト)

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