山東省日照市で「日中食品企業商談会」、ジェトロなどが開催

(中国、日本)

青島発

2021年09月30日

ジェトロは9月24日、中国山東省日照市で、青島日本人会食品部会と中国国際貿易促進委員会(CCPIT)日照市委員会、日照市商務局とともに「日中食品企業商談会(日照)」を開催した。この商談会は、食品加工分野の中国進出日系企業の内販促進などを支援するイベントで、日系企業10社、現地企業25社が参加した。

山東省は国内で農業総生産額トップを誇る農林水産物の産地で、多くの食品関連日系企業が進出している。山東省に進出した日系企業の特徴としては、日本市場向けの加工食品の輸出が多く、現地売上高に占める輸出比率が中国内の他地域と比べて高い(注)。このため、同省の日系企業は日本市場向けの輸出には偏らず、国内市場開拓を目指した取り組みを強化している。このような背景から、ジェトロでは、2020年度から省内の日中食品加工企業間の横連携の強化を図る商談会を実施している。

今回開催地となった日照市は青島市に隣接し、人口295万人。2021年4月には地元の水産加工企業によって水産加工品の輸出入促進などを図る委員会が発足し、欧米などへの輸出も盛んな都市で、刺し身やかば焼きなど業務用品を輸出するなど日本とも関わりも深い。

今回、日系企業からは、食材や調味料、調整剤、包装資材などを扱うメーカー、食品検査機関、同地産品の調達に関心を持つ商社などが参加。日系企業との連携を通じて自社産品の付加価値向上と競争力強化を図る現地企業、日系商社への自社製品の売り込みを希望する現地企業と活発な商談が行われた。

写真 商談と試食PRの様子(ジェトロ撮影)

商談と試食PRの様子(ジェトロ撮影)

(注)2020年度「海外進出日系企業実態調査(中国編)」によると、進出日系企業の現地での売上高に占める平均輸出比率は、中国全体では32.4%。山東省は49.9%で中国全体より17.5ポイント高く、省市別では遼寧省(51.6%)に次いで高い数値となった。

(吉川明伸)

(中国、日本)

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