広州市、清掃作業員のゼロ感染にみる新型コロナ防疫策

(中国)

広州発

2021年09月02日

中国広東省広州市では、5月から7月の間に国内で初めて確認されたデルタ型変異株による新型コロナウイルス市中感染が合計153例確認された一方、エッセンシャルワーカー(日常生活の維持に欠かせない仕事に従事する者)の清掃作業員の感染事例が1例もないことが評価されている。

8月22日付「広州日報」では、清掃作業員が実施する感染予防対策を紹介している。まず、接触感染を避けるため、専門家が作成した「新型コロナウイルスに対応する清掃作業ガイドライン」に従い、清掃業者は作業員1人ずつに防護用品(2枚の医療用マスク、2双の手袋、1足の長靴など)をそろえ、作業時に着用する。医療廃棄物を処理する際は、廃棄物の分類を徹底して接触しないよう防護服や道具を使い、使用後は焼却する。ごみ収集器具や運搬車両にも徹底的な清浄と消毒を実施する。

ワクチン接種については、エッセンシャルワーカーへの接種を優先的に確保し、広州市の清掃作業員の接種率は100%に達した(8月22日発表時点)。5月末に広州市で感染者が確認されてからは、同月29日に清掃作業員をはじめごみ処理施設の全従業員に対してPCR検査を実施、24時間内に6万人を超える清掃作業員が検査を受けた。

加えて、感染対策の重要性の高まりから、自動化率の低かった清掃作業に清掃ロボットや無人清掃車の導入が進み、清掃効率の向上や作業員の感染リスク抑制に成功した。

(盧真)

(中国)

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