従業員・雇用主用の新型コロナ支援補助金、29都県で支給実施

(タイ)

バンコク発

2021年09月08日

タイ政府は7月13日の閣議承認に基づき、8月4日から9日にかけて、新型コロナウイルス感染症対策にかかる支援策として、厳格最高管理区域(ダークレッドゾーン)に指定する13都県で、特定9業種で働くタイ国籍の従業員に対し、社会保険加入を条件に1人当たり2,500バーツ(約8,500円、1バーツ=約3.4円)の補助金を支給していたが、8月10日の閣議承認で対象地域を29都県に拡大し、同月20日に追加支給を実施した(注1)。同地域・同業種の雇用主に対しても、8月10日から補助金の支給を開始した。

補助金の受給方法について、ジェトロが在タイ法律事務所(8月30日)とタイ社会保険事務所(9月3日)へヒアリングしたところ、具体的には以下の条件・手続きとなる。

従業員対象の措置:対象地域・業種の従業員(社会保険加入者)は、従業員の「プロムペイ」口座(国民IDと連動)に、1カ月間1人当たり2,500バーツの補助金を支給する(注2)。支給はこれまで2度行い、1回目(8月4~9日)は13都県の従業員が対象、2回目(8月25日)は29都県に拡大し、追加16県で補助金を支給。よって、当初の13都県と追加16県の従業員にそれぞれ、2,500バーツ(2,500バーツ×1回)を支給した。3回目の支給も検討しているが未定。申請手続きは特段には不要だが、当該措置の対象となるか否かは、従業員が社会保険局のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで自身の国民ID番号を入力すれば確認が可能。

雇用主対象の措置:上記と同様の対象地域(29都県)・業種(9業種)で登録した事業者(雇用主)が対象。1カ月間、60万バーツ(従業員1人当たり3,000バーツ×200人)を上限に雇用主に支給。支給は8月10日から開始済み。補助金を得るには、最寄りの社会保険事務所で申請、またはオンラインサービス(E-service)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで申請。申請が受理され次第、指定口座に送金。当該措置の対象となるか否かは、雇用主が社会保険局のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで雇用主番号および支店番号を入力すれば確認可能。

(注1)対象地域は29都県(バンコク、パトゥムタニー、サムットプラカーン、サムットサコン、ナコンパトム、ノンタブリ、チョンブリ、チャチュンサオ、アユタヤ、パッタニー、ヤラー、ナラティワート、ソンクラー、カンチャナブリー、ターク、ナコーンナーヨック、ナコーンラチャシーマー、プラチュアプキリカン、プラチンブリ、ペッチャブリー 、ペッチャブーン、ラヨーン、ラチャブリー、ロプブリー、シンブリー、サムットソンクラーム、サラブリ、スパンブリー、アーントーン)。対象業種は9業種(建設業、宿泊・飲食業、娯楽業、その他サービス業、運送・倉庫業、卸・小売り・自動車修理業、マネジメント・支援サービス業、職業・科学・学術活動、情報通信業)。

(注2)プロムペイは、国民IDや携帯電話(法人はタックスID)と銀行口座をリンクさせ、IDや携帯電話での送金決済をするシステム。

(田口裕介、今泉美里)

(タイ)

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