ビジネス環境ランキングでジョージア州が8年連続首位、エリア・ディベロップメント誌

(米国)

アトランタ発

2021年09月28日

米国における企業の立地情報を提供する「エリア・ディベロップメント」誌が毎年公開している全米州別ビジネス環境ランキングの2021年版が発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた(添付資料表参照、注)。総合順位でジョージア州が8年連続の1位となり、テキサス州が順位を上げて2位、テネシー州が3位となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、企業を取り巻く事業環境に変化が見られるが、上位10州の顔ぶれは前年と変わらなかった。また、インディアナ州とオハイオ州以外の8州は南部州だった。

このランキングは、立地選定に携わる複数の代表的なコンサルティング会社に対するアンケート調査結果に基づくもの。ビジネスコスト全般やインセンティブ、労働力、物流・インフラなど、企業が進出を検討する際に考慮される13項目について、各コンサルティング会社の評価を集計することで総合順位が決められる。

総合首位のジョージア州は、13項目のうち「ビジネスコスト全般」「労働力」「人材育成プログラム」「州政府の対応」の4項目で1位となった。中でも、立地選定の際に重視され、他州との差別化の要因となる「人材育成プログラム」については、同州が企業ごとにカスタマイズされた職業訓練を無償で提供する「クイックスタートプログラム」が前年に続き高い評価を得た。

前年から順位を2つ上げて総合2位となったテキサス州は、項目別でみると、前年4位の「労働力」でジョージア州と並び首位に立った。また、前年2位の項目のうち「物流・インフラ」と「不動産空き状況」ではジョージア州を、「法人税」ではフロリダ州をそれぞれ抜いて1位に躍り出た。

前年2位だったテネシー州はテキサス州に押し出されるかたちで総合3位となったが、項目別では「エネルギー供給・コスト」と「用地準備状況」で前年に引き続き1位だった。「エネルギー供給・コスト」に関しては、1930年代に連邦政府が所有する電力会社として設立され、現在は地域の電力会社に対する卸売業者であるテネシー川流域公社(TVA)が供給するため、安価な電力で優位を保っている。

総合順位4位以下は、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、アラバマ州、インディアナ州、バージニア州、オハイオ州、フロリダ州の順となった。5位以下については前年から順位に変動はなく、南部州のビジネス環境が引き続き高く評価されている。

(注)エリアディベロップメント「2021年第3四半期」号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます掲載記事に基づく。

(高橋卓也)

(米国)

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