バイデン米大統領、新型コロナサミットで他国へ5億回分のワクチン追加寄付発表
(米国)
ニューヨーク発
2021年09月24日
ジョー・バイデン米国大統領は9月22日、自らが主催した世界新型コロナウイルスサミットで、各国が協力し合って新型コロナ感染症を根絶することが何よりも緊急な課題とし、今後の感染症の世界的大流行にも備えるべきだと呼び掛けた。
ワクチンの国外供給に関して、バイデン大統領は「米国は、第2次世界大戦中に民主主義の備蓄庫となったように、(今回は)ワクチンの備蓄庫となることを約束する」と発言し、「米国は既に100カ国に合計1億6,000回分のワクチンを寄付し、その数は他のどの国よりも多い」とした。また、6月のG7サミット開幕直前に発表した5億回分の米ファイザー製ワクチンの追加寄付に加え、今回さらに5億回分の同社製ワクチンを低・中所得の国々に寄付するために購入すると発表した。これにより、米国によるワクチン寄付数は合計11億回分以上になるとした。
また、歴史的に膨大な数のワクチンを供給できるのは、米国のワクチン製造企業と連携して生産速度を加速しているためだとし、現在、米国は他国が自国でワクチンを製造できるようにするために早急に取り組んでいると述べた。その取り組みの例として、米国、インド、日本、オーストラリアとの協力枠組みであるQuad(クアッド)で連携して、2022年末までに少なくとも10億回分のワクチンをインドで生産し、世界への供給を加速できるよう支援しているとした。さらに、南アフリカ共和国でワクチンの製造能力を高め、アフリカ内で2022年に5億回分以上のジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチンを生産できるように、経済的にも支援すると表明した。
そのほか、新型コロナウイルス感染による死者を減らし感染拡大を抑えるため、米国は吸入用酸素の支援や感染検査の拡大、医療体制の強化にも14億ドルを拠出すると発表した。
(吉田奈津絵)
(米国)
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