新型コロナ対策の新たな規制緩和策を公表、非常事態期間の延長も

(タイ)

バンコク発

2021年09月30日

タイ政府は9月28日、2005年非常事態令に基づく新型コロナウイルス対策の措置適用を2カ月延長し、11月30日までとすることを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。加えて、非常事態令第9条に基づく新たな措置(決定第34号)を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。29日の官報で公示、10月1日に発効する。規制緩和措置を講じる理由として、新型コロナ感染状況は改善傾向にあり、医療態勢も安定がみられる。こうした状況の下、一部の規制を緩和し、経済の回復と発展、感染防止と管理の両立を目的とした。

決定第34号の主なポイントは以下のとおり。

1.夜間外出禁止の厳格最高管理区域(ダークレッドゾーン)にいる者は15日間、午後10時~翌日午前4時までの外出を禁止する。

2.ダークレッドゾーンでの在宅勤務や県境移動の自粛を15日間要請する。

3.ダークレッドゾーンでの以下の業種の営業を午後9時まで認める。営業の際にはガイドラインの順守が条件。

(1)学校または教育機関、(2)保育園、幼稚園、(3)飲食店。店内のアルコール消費は不可。店内の座席数は制限、(4)コンビニ、市場、(5)図書館、美術館、博物館、史跡、歴史的建造物、学習施設、(6)映画館。座席数は全体収容人数の50%以下に保つ、(7)ビューティーサロン、エステサロン、ネイルサロン(要予約)、(8)スパ、タイ式マッサージ店(要予約)。顧客当たりのサービス時間を2時間に制限。サウナなどは不可。一部サービスを利用する際にはワクチン接種証明、または利用72時間以内に実施したPCR検査または抗原検査キットによる陰性結果を提示する、(9)公園、運動場、競技場、プール、エアコン付きのジム、フィットネス、(10)屋内スポーツは原則無観客で実施。屋外スポーツは、会場内の観客を収容人数の最大25%に制限。観客はワクチン接種証明、または観戦72時間以内に実施したPCR検査か抗原検査キットによる陰性結果を提示する、(11)百貨店、ショッピングセンター。店舗の種類によっては条件付きの営業、または閉鎖が継続される。(12)劇場は出演者・スタッフ数の合計50人以下とし運営する。

4.観光再開に向けた準備

公的機関、民間企業、関係者は、政府が策定する観光客の受け入れ計画・ガイドラインにのっとって観光再開に向けて準備する。

なお、バンコク首都庁(BMA)は9月30日、今回の決定を受け、施設閉鎖指令第43号を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。同決定に沿う措置で、10月1日に発効、10月31日まで有効。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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