ブラジルがOECD加盟に向け、海上輸送の自由化へ着手
(ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン)
サンパウロ発
2021年09月17日
ブラジル政府は9月6日付政令10,786号を公布し、ウルグアイ、アルゼンチンとの海上輸送協定をそれぞれ更新しないことを公示した(注)。これにより、ブラジルとウルグアイ、ブラジルとアルゼンチン間の海上輸送では、各協定の終了見込み日から多様な船籍による参入が可能になる(添付資料表参照)。これまでは、海上輸送協定を締結している国同士の船籍による海上輸送に限定されていた。
大統領府は9月8日付の公式サイトで「今回の措置は、ブラジル外交にとって優先課題の1つであるOECD加盟に貢献するもの」と説明している。海上輸送の自由化は、OECDの理念の1つ「国際的義務に従って、世界貿易の多角的かつ無差別的な拡大に貢献すること」に一歩近づく具体策とみられる。経済省も同日付の公式サイトで、多様な船籍の輸送事業者が参入することにより、海上輸送費の削減や貿易量の増加、ブラジル企業の競争力強化が期待できると述べている。
ブラジル・カボタージュ船主協会(ABAC)は3月3日付の公式サイトで懸念を示していた。一方、全国工業連盟(CNI)は8月18日、連盟公式サイトで物流コスト削減に資する対策として評価した。
(注)同決定はブラジル貿易審議会(CAMEX)が2020年12月9日に行い、外務省が2月にウルグアイとアルゼンチン両政府に報告した経緯がある(2021年7月21日記事参照)。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン)
ビジネス短信 37bc48c75ddbfa41