第2四半期GDP成長率は前期比2.8%

(ニュージーランド)

シドニー発

2021年09月16日

ニュージーランド統計局は9月16日、2021年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率が前期比2.8%だったと発表した(添付資料表参照)。新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた前年同期との比較では、反動増で17.4%となった。

産業別にみると、輸送・倉庫業(前期比14.0%増)、小売り・宿泊業(9.5%増)が大きく伸びたほか、農林水産業(5.5%増)、科学技術、管理・支援(4.8%増)、芸術・余暇その他(4.4%増)などが増加した(添付資料表参照)。一方、情報メディア・通信(2.1%減)、金融・保険(0.4%減)、教育・訓練(0.3%減)では減少がみられた。

ニュージーランドでは、2021年第1四半期(1~3月)の間に市中感染が再発し、最大都市オークランドでは計10日間の外出制限が課された。その後、制限措置の緩和に伴って経済活動も回復し、第2四半期のGDPは「新型コロナ禍」前となる2019年第4四半期(10~12月)より4.3%大きくなった。また、2021年4月にオーストラリアから隔離なし一般渡航の受け入れを開始したこと(注)も、観光関連産業の伸びに寄与した。

なお、現在は、デルタ型変異株による市中感染が拡大したことから、オークランドでは新型コロナウイルスの警報レベルを最高位のレベル4に引き上げ、ロックダウンを実施している(2021年9月14日記事参照)。グラント・ロバートソン財務相は「第2四半期の力強い経済成長は、現在の感染拡大を乗り越えた先での堅実な回復を示唆している」と述べた。

(注)オーストラリア国内でデルタ型変異株の感染が拡大し、ニューサウスウェールズ州やビクトリア州などで再び外出制限が課されたことから、ニュージーランド政府は7月24日以降、オーストラリアからの渡航者の受け入れを停止している。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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