米FDA、65歳以上と高リスク層への3回目のファイザー製ワクチン接種を承認、CDCも推奨

(米国)

ニューヨーク発

2021年09月27日

米国食品医薬品局(FDA)は9月22日、ファイザー・ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種、いわゆるブースター接種について、一定の層に限って承認すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。米国疾病予防管理センター(CDC)も24日に、それに基づいた推奨方針を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。CDCの推奨対象となるのは下記の層となり、いずれも2回目の接種から少なくとも6カ月後の接種が推奨されている。

  • 65歳以上の層および長期の介護施設の居住者は接種を受けるべき
  • 50~64歳で、特定の基礎疾患(注1)がある層は接種を受けるべき
  • 18~49歳で、特定の基礎疾患がある層は、個人の利益・リスクに基づき接種を受けられる
  • 18~64歳で、職業的な理由から新型コロナウイルスへの露出リスクが高い層は、個人の利益・リスクに基づき接種を受けられる

FDAの外部専門家による諮問委員会は9月17日に、委員らの投票により、これら層へのブースター接種を推奨するとしていた。他方、ファイザーとビオンテックが申請していた16歳以上の全人口に対しては推奨しない、と結論付けていた(2021年9月22日記事参照)。バイデン政権は8月に、9月20日の週から18歳以上の成人に対してブースター接種を開始するとの方針を掲げていたが(2021年8月19日記事参照)、保健当局からいったんブレーキがかかったかたちとなる。ただし、FDAのジャネット・ウッドコック長官代行は「ブースター接種を含めてワクチンの安全性・有効性に関して多くの情報が得られていく中で、われわれは急激に変わっていく科学を検証し、公衆に周知していく」としている。

米国で使用が認められている新型コロナワクチンについて、ファイザー・ビオンテック製以外では、モデルナが9月1日にブースター接種の承認を受けるためにFDAに1回目の試験データを提出したとしている。残る1社のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も、ブースター接種の有効性を検証するための試験を継続しており、9月21日には最初の接種(注2)から2カ月後のブースター接種で、米国内に限った場合、中程度から重い症状を防ぐ有効性が94%だったとし、データをFDAに提供したとしている。CDCのロシェル・ワレンスキー所長は「モデルナとJ&Jのワクチンに関してもデータが出そろい次第、(ブースター接種の)推奨方針策定に取り掛かる」としている。

(注1)がんや慢性腎疾患、慢性呼吸器疾患などがある層。詳しくはCDCの定義外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注2)J&J製のみ1回の接種で完了とされている。

(磯部真一)

(米国)

ビジネス短信 0fe49b38caacc772