議会がカリス氏を新大統領に選出

(エストニア)

ワルシャワ発

2021年09月02日

エストニア議会(一院制、定数101)は8月31日、2日目の大統領選挙を実施し、アラル・カリス氏が80票のうち72票を獲得して新大統領に選出された。カリス氏は2018年からエストニア国立博物館の館長を務めており、連立与党の改革党と中央党の支持を受けて大統領候補に選ばれていた。現職のケルスティ・カリユライド大統領は2期目続投を表明したものの、議員からの指名数が必要数に達しなかったため、候補者とならなかった。

エストニアの大統領は議会による間接選挙で選出され、候補者は21人以上(全101議席の5分の1以上)の国会議員からの指名が必要となる。選挙は臨時国会で行われ、68票以上(全101議席の3分の2以上)の票を獲得した候補者が大統領として選出される。国会での投票は大統領候補が必要な得票数を獲得し、選出されるまで最大3回実施されるが、それでも大統領が選出されない場合、国会議員と地方政府の代表で構成する選挙人団によって選出される。

今回は候補者がカリス氏1人のみで行われた。8月30日の第1回投票では選出に必要な68票を獲得しなかったが、翌31日の2回目の投票で72票を獲得し、正式に新大統領に選任された。カリス氏は2007年から2012年まで国立タルト大学の学長を務め、2013年から2018年までエストニアの国家予算の執行を監査する国家監査局で監査役を務めた。

(吉戸翼)

(エストニア)

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