UAEアブダビやオマーン、新型コロナワクチン非接種者への行動規制強化

(アラブ首長国連邦、オマーン)

ドバイ発

2021年08月27日

アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ政府は新型コロナウイルス感染対策として、8月20日から行動規制を強化した〔8月14日付UAE国営エミレーツ通信社(WAM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

新型コロナワクチン接種の有無に応じた規制強化で、接種していないと、接種免除証明書を取得した場合を除き、商業施設や教育機関など公共スペースへの立ち入りを禁止した。立ち入るには、ワクチン接種状況やPCR検査の結果を管理する政府の専用アプリ「AlHosn」で「グリーンパス」(緑色画面)のステータスを保持することが必要となる。「グリーンパス」は、ワクチンを2回接種済みで、PCR検査の陰性結果が出てから30日間に限って保持できる。2回接種していても、2回目の接種から6カ月が経過した場合には、3回目のブースター接種が求められる。

アブダビ在住者によると、ショッピングモールや飲食店では、店舗の入り口で係員がアプリ画面の確認を徹底しているという。店舗もアプリを確認するスタッフを増員するなどして対応している。

現地紙によると、アブダビのハリディーヤ・モールのマネジャーはインタビューに対し「95%の来場客はグリーンパスを持っている」と話しており、住民への周知は徹底しているようだ。また、規制が強化される前の数日間は、多くの人が「グリーンパス」を取得するために、ワクチン接種とPCR検査に駆け込んだとも報じられた。

オマーンでも、行動や入国に関する規制を変更している。アブダビと同様に、9月1日からは国内の政府施設やショッピングモール、レストラン、民間セクターの施設への立ち入りに、ワクチン接種を完了していることが必須となる。

他方で、オマーンは新規感染者数の減少傾向を受けて8月21日から、午後10時から翌日午前4時までの夜間外出禁止令を解除した。また、9月1日から、インドやパキスタン、バングラデシュなど、デルタ型変異株の流行を理由に6月から継続していた国々からの入国禁止措置について、オマーン政府が承認したワクチンの接種済を条件として解除する見込みだ(注)。

(注)オマーンが認可しているワクチンは、ファイザー、アストラゼネカ、シノバック、スプートニク。接種証明書の形態については未発表。到着後は7日間の隔離措置と同8日目のPCR検査実施が必要(8月20日付の日本の外務省海外安全ホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦、オマーン)

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