7月の物価が大幅上昇、電力料金値上げが影響

(ルーマニア)

ブカレスト発

2021年08月23日

ルーマニア国家統計局(INS)が8月11日に発表した2021年7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で5.0%上昇し、2018年9月以来の高い伸びを記録した。内訳をみると、食品が2.3%、非食品が7.6%、サービスが2.7%の上昇になっている。

CPI上昇に大きく影響したのが電力料金で24.7%の上昇だった。ルーマニア政府は2021年1月に電力小売りを完全自由化していたが、自由化を国民に周知し、契約会社や契約プランを変更する時間を確保するために半年間、割引措置を認めていた。割引期間が6月末で終了し、7月から新料金が適用されたため、これまで国家エネルギー規制局(ANRE)の定める価格で購入していた消費者にとっては大幅な値上げになった。自由化で競争原理が働いたにもかかわらず、EUの排出量取引制度(ETS)に基づく排出証明書の価格が値上がりしていることで、全体的に電力料金が上昇した。

ANREのゾルタン・ナギーベゲ副局長によると、既に全国の電力契約世帯890万戸のうち約半数が契約会社をより消費者に有利な電力会社に変更している。しかし、ルーマニアエネルギー供給業協会(AFEER)のイオン・ルング会長が6月29日の記者会見で語ったところによると、排出証明書の価格が1メガワット時(MWh)当たりで、2020年は25ユーロだったが2021年は 55ユーロに値上がりしており、これが電力価格に転嫁されているため、自由化されたにもかかわらず全体的に値上がりしている要因だという。

卸売電力の翌日物市場価格は、2020年6月は1MWh当たり146.71レイ(約3,814円、レイは通貨単位レウの複数形、1レウ=約26円)だったが、2021年6月には378.82レイへと約2.6倍に値上がりした。

国立銀行が2021年8月に発表したインフレレポートで、ムグル・イサレスク総裁は、電力、燃料、ガス価格の値上げにより、2021年末のCPI予想をこれまでの4.1%から5.6%に、また2022年末の予想を3.0%から3.4%にそれぞれ引き上げた。

ルーマニア製粉製パン業雇用者協会(ROMPAN)のアウレル・ポペスク会長からは、電力などのエネルギー価格の上昇に加え、小麦粉の価格が2021年に入り25%上昇しており、今後、パンの小売価格を上げざるを得ないとの声が上がっている。

(ミンドル・ユニアナ、西澤成世)

(ルーマニア)

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