河北雄安新区条例、9月1日から施行、北京の非首都機能受け入れ促進
(中国)
北京発
2021年08月10日
中国の河北省第13期人民代表大会常務委員会第24回会議は7月29日、「河北雄安新区条例」(公告第86号)を可決した。9月1日から施行される。
同条例には、北京市の非首都機能(注1)移転の雄安新区への受け入れに関する具体的内容を盛り込み、同地区では主に大学や有力企業などの受け入れを進めるとした。対象は、(1)大学・大学院、(2)国家レベルの科学研究機関、国家重点実験室、イノベーションセンターなど、(3)先端的な医療機関、(4)ソフトウエア・情報サービス、設計、クリエーティブ、コンサルティングなどの有力企業、現代物流や電子商取引などの企業本部、(5)銀行、保険、証券などの金融機構本部と支店、(6)次世代情報技術、バイオ医薬・バイオヘルスケア、省エネ環境、先端的な新材料などの中央管理企業、イノベーション型民営企業、成長性の高いハイテク企業、(7)雄安新区の産業発展の方向に沿うその他の大型国有企業の本部などの7つとなる。
また、雄安新区の管理委員会が産業発展指導目録を策定し、次世代情報技術、現代生命科学・バイオ技術、新材料、先端的な現代サービス業、エコ農業などの先端ハイテク産業を重点的に発展させるとした。
今後のプロセスについて、京津冀(北京市、天津市、河北省)協同発展指導グループ弁公室の担当者は「2021年から北京市の各部門に所属する大学や病院、中央国有企業の本部を中心に、段階的に雄安新区への移転を進める予定で、移転に関する具体的な実施弁法を制定し、スケジュールとロードマップを明確化する」と紹介した(「新京報」7月31日)。
同条例では、ハイテク人材に対する奨励メカニズムの構築、国内外の資本参入の奨励、金融業の対外開放拡大、多国籍企業本部による人民元と外貨の集中運用を認めることなども盛り込んだ。また、国の規定に基づいて外貨の入出制限を緩和することや、外国人材の誘致とサービス管理を改善し、外国人材の起業をサポートすることも規定した。
なお、雄安新区の「スタートアップエリア」で建設が進んでいた地下の共同溝が7月26日に開通した(注2)。建設プロジェクトの担当者は「今回の開通は、これから行われるパイプ敷設や道路地盤の施工の基礎となる」としている。
(注1)首都機能以外の都市機能を指す。
(注2)建設プロジェクトには、道路工事のほか、給水・排水のパイプライン、ガス・熱供給関連の予備敷設工事も含まれる。
(趙薇)
(中国)
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