海外渡航を段階的再開、感染・ワクチン接種状況に応じて水際対策を4つに分類
(シンガポール)
シンガポール発
2021年08月20日
新型コロナウイルスの政府タスクフォースは8月19日、シンガポール国内のワクチン接種率が上昇し、感染状況が落ち着いてきたのを受け、海外渡航の段階的再開に向けた新たな措置を発表した。シンガポールでは8月17日時点で1回のワクチン接種を終えたのは人口の82%、2回のワクチン接種者は77%に達した。
発表によると、各国・地域の感染とワクチン接種状況に応じて、水際対策を4つに分類する。まず、最も感染リスクの低い「カテゴリー1」の国・地域については、入国時にPCR検査を受けて陰性であれば、隔離をする必要がない。カテゴリー1と分類されるのは8月19日時点で、中国(江蘇省を除く)とニュージーランドだが、同月20日午後11時59分から台湾、香港とマカオも同カテゴリーに入れられる。また、次に感染リスクの低い「カテゴリー2」の国・地域からの渡航者については、PCR検査に加え、入国後7日間の隔離義務がある。ただ、隔離先については、国民(永住権を含む)と長期ビザ保有者については、条件を満たせば自宅での隔離が認められる。
さらに、「カテゴリー3」の国・地域からの渡航者について、ワクチン未接種者の場合、指定宿泊施設で14日間の隔離をする必要がある。ワクチン接種者については、条件を満たせば自宅隔離が認められる。日本からの渡航者は8月20日午後11時59分からの入国から、カテゴリー3に分類される。最も感染リスクの高い「カテゴリー4」の国・地域については全て、指定宿泊施設での14日間の隔離となる。カテゴリーごとの水際対策の詳細については、添付資料表を参照。
ワクチン接種者を対象に、ドイツとブルネイから隔離なしの一般渡航を可能に
また、シンガポール民間航空庁(CAAS)は同日、9月8日からドイツとブルネイについて、ワクチン接種者であれば隔離義務を免除する「ワクチン・トラベルレーン(VTL)」を開始すると発表した。同レーンを通じた渡航者は、隔離の代わりに、入国48時間前、到着時、到着後3日目、7日目の計4回、PCR検査を受ける必要がある。VTLを通じてシンガポールに入国する短期渡航者と、長期ビザ保有者は、入国7~30日前にワクチン・トラベルパスを申請する必要があり、9月1日から申請の受け付けを開始する予定。VTLを通じた渡航条件の詳細についてはCAASの発表を参照。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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