上半期の新車販売台数、前年同期比43.6%増の24万9,129台

(マレーシア)

クアラルンプール発

2021年08月13日

マレーシア自動車連盟(MAA)によると、2021年上半期(1~6月)の新車販売台数は24万9,129台で、前年同期比43.6%増と大幅に伸びた。販売台数の増加に伴い、生産台数は45.3%増の24万1,288台だった(添付資料表1、2参照)。このうち、乗用車は生産、販売とも4割超の増加となる一方、商用車は販売で約6割、生産でほぼ倍増した。マレーシア政府は、新型コロナウイルスの影響による景気刺激策として、12月末まで自動車購入時の売上税の減免している。

大幅増の要因は2020年上半期の操業停止からの反動増

2021年上半期の新車販売台数と生産台数が大幅に伸びた要因としては、2020年3月から4月までの移動制限令による約1カ月半の自動車産業の操業停止により、2020年上半期の販売と生産台数が前年同期比で落ち込んだことからの反動増が影響した。

新車販売台数をメーカー別にみると、トップ10のメーカーは、軒並み前年同期比2桁以上の伸び率を記録した(添付資料表3参照)。1位はシェアの約4割を占める第2国民車メーカーのプロドゥアで、31.2%増の9万7,290台だった。第1国民車メーカーのプロトンは、52.0%増の5万6,352台で、2位を維持した。プロトンは、2020年に35周年を迎え、記念モデルを発売した小型セダン「サガ」が好調で、2021年上半期では1万9,216台を売り上げた。日系では、トヨタが85.2%増の3万3,705台で3位、ホンダが46.0%増の2万4,996台で4位だった。

他方、販売台数を月別にみると、1月は前年同月比で減少し3万2,837台だったが、2月から5月にかけては前年同月を上回る4万~6万台となり、特に3月は6万3,878台と上半期で最多を記録した。しかし、6月1日から開始した「国家回復計画(NRP)」第1段階により、自動車製造業は出勤率10%での暖機運転モードでの操業のみに制限され、自動車販売店も操業停止になった。そのため、6月の販売台数は1,921台と大きく落ち込んだ。生産台数は、販売台数の好調に伴い増加した。乗用車への売上税減免措置は、国内生産車で100%免税、輸入車で50%の減税となることから、国内生産車の需要がより伸びたとみられる。商用車では、トヨタのピックアップトラックが商用車全体の54.2%を占め好調だった。

2021年通年の販売台数見通しは50万台に

7月上旬からNRPの第2段階へ移行しており、自動車製造業は出勤率80%を上限に再開している。しかし、販売上位のセットメーカーや自動車部品製造業が多く集積するセランゴール州を含む5州・3連邦直轄地では、8月2日現在、出勤率10%の制限および生産停止が続いている。MAAは、自動車業界の8月からの全面的な再開を予想し、2021年の新車販売台数の見通しを当初目標の57万台から、50万台に下方修正した。

(関淑怡)

(マレーシア)

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