大手ECプラットフォーマー「アメリカーナス」が生鮮食品スーパーを買収

(ブラジル)

サンパウロ発

2021年08月18日

ブラジル現地大手EC(電子商取引)プラットフォーマー「アメリカーナス」は8月11日、生鮮食品のスーパーマーケットを運営する「オルチフルーチ・ダ・テハ」の株式100%を取得することに合意したと公式に発表した。オルチフルーチ・ダ・テハは、特にフルーツと野菜の生鮮食品で国内最大規模の販売網(注1)を有する。この株式取得額は21億レアル(約441億円、1レアル=約21円)に相当するという。

本合意により、ECおよびアメリカーナス・グループの実店舗「ロージャス・アメリカーナス」で提供する製品群に、新鮮で健康的な商品が加わる。

また、同社グループでQRコード決済サービスを中心とした「スーパーアプリ」(注2)を提供する「アメ・デジタル(AME Digila)」とのシナジーも発揮させる。同決済サービスは既にオルチフルーチ・ダ・テハの一部の店舗で導入されているため、これを機に導入店舗を増やし、多様な決済手段の提供による顧客の呼び込みを図るという。また、アメ・デジタルはクレジットカードの発行も可能なため、オルチフルーチ・ダ・テハの顧客に同社の金融サービスを普及させていく狙いもある。

さらに、アメリカーナスの子会社「スーペルメルカード・ナウ」は、スーパーマーケットと消費者をつなぐオンラインアプリを提供しており、オルチフルーチ・ダ・テハのオンライン販売アプリを統合していく。オルチフルーチ・ダ・テハは現時点で売上高の16%がオンライン販売によるもの。同社には、デジタル経由の購入に特化した自社のダークストア(注3)から迅速に配達できる仕組みもある。アメリカーナスは、オンラインによる生鮮食品の販売を、消費者動向の変化に対応するための重要な戦略の1つと位置付けている。

2021年は、同じく現地発のECサイトプラットフォーマー「マガジン・ルイーザ」も積極的な企業買収を進めている(2021年8月2日記事参照)。買収対象には、食品EC運営企業や食品デリバリー企業が含まれていた。また、8月11日付の現地紙「グローボ」によれば、アルゼンチン発のECプラットフォーマー「メルカドリブレ」も、今後数カ月以内に生鮮食品をオンラインで販売する可能性に触れている。

最近は、大手ECプラットフォーマーが生鮮分野に進出する動きに加え、自社グループ会社の既存サービスとの相乗効果を狙った企業買収が目立っている。

写真 サンパウロ市内にあるオルチフルーチ・ダ・テハの店舗、ナチュラル・ダ・テハ(ジェトロ撮影)

サンパウロ市内にあるオルチフルーチ・ダ・テハの店舗、ナチュラル・ダ・テハ(ジェトロ撮影)

(注1)同社は国内4州に合計73店舗を構えている。

(注2)1つのアプリの中にさまざまな機能を搭載したもの。

(注3)デジタル経由の購入に特化することで効率的、迅速な配送が可能になる。

(古木勇生)

(ブラジル)

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