日系企業の賃金は前年比5.5%増で上昇率は低下、ジェトロ調査

(ハンガリー)

ブダペスト発

2021年08月25日

ジェトロはハンガリー進出の日系企業に対し、賃金や人材確保の状況についてアンケート調査を実施(調査期間:6月15日~7月15日)し、26社から回答を得た。

それによると、賃金の平均上昇率は前年比で5.5%だった。非製造業は5.3%、製造業の従業員300人超の企業では非製造業と同じく5.3%だったが、300人以下では6.0%だった。前回2019年調査(2019年8月29日記事参照)では、非製造業の上昇率は11.1%、製造業も300人以下で10.0%、300人超は8.5%となっており、今回は新型コロナウイルス禍の影響を受けて、上昇率が抑えられたとみられる。

従業員数300人超の製造業における職制ごとでの平均賃金をみると、マネジャークラスで108万7,000フォリント(約39万7,000円、1フォリント=約0.365円)、営業職50万3,000フォリント、事務職51万3,000フォリント、技術職63万4,000フォリント、オペレーター26万8,000フォリント(約9万8,000円)だった。

賞与については、平均で1.3カ月分が支給されており、非製造業は1.3カ月分、製造業では300人超が1.1カ月分、300人以下は1.6カ月分となっている。

本調査では、従業員に支給しているフリンジ・ベネフィット(付加的手当)についても聞いた。複数回答だが、セーチェニカード(注)の支給は17社、通勤手当は16社が支給しており、福利厚生の主流となっている。このほか、特に製造業で多くみられたのが、社員食堂の整備(7社)と保育園・幼稚園サービスの提供(6社)などで、勤務環境の整備に力を入れていることが分かる。

(注)宿泊施設やレストラン、娯楽施設などで使える電子バウチャー。

(末廣徹)

(ハンガリー)

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