特別移動許可証の発行対象拡大、国外での新型コロナワクチン接種者も対象に

(チリ)

サンティアゴ発

2021年08月10日

チリ政府は8月6日から、国外で新型コロナウイルスのワクチン接種を行ったチリ国籍者と居住外国人に対しても、国内移動制限を緩和する特別移動許可証(Pase de Movilidad)を発行すると発表した。これまで同許可証の発行は国内での接種者に限定していた。内容は次のとおり。

対象者:チリの身分証明番号(RUT)を所持するチリ国籍者とチリ居住外国人のうち、国外で新型コロナウイルスのワクチン接種を行った者。

有効となるワクチンの種類:チリ公衆保健院(ISP)、世界保健機関(WHO)、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)が使用を承認したワクチン。現在有効なのは、モデルナ、ファイザー、ヤンセンファーマ、アストラゼネカ、シノファーム、シノバック、カンシノ、ジェネリウム(スプートニクV)。

申請するには、チリ政府ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで必要事項を入力し、次の書類を添付する必要がある。

1.パスポートまたは身分証明書(Cédula de identidad)

2.接種を行った国が発行する電子媒体(高度電子署名付きデジタル文書またはQRコード)のワクチン接種証明書

3.ワクチン接種証明書に記載された日付にその国に滞在していたことを証明できる書類(航空券、パスポートの証印ページなど)

上述の書類に加えて、チリ政府が必要と判断した場合、次の書類の添付を求められる場合がある。

1.ワクチン接種が完了してから少なくとも14日間が過ぎた後、チリ国内で認可された研究所が実施した抗体検査によって、抗体(IgM/IgG)を有することが確認された陽性証明書

2.ワクチン接種証明書がスペイン語か英語で用意できない場合、同証明書の翻訳文書

申請してから発給の是非が通知されるまでの期間は最大で2週間ほど。添付書類の正当性が証明できないなどの場合でも、対象者がチリへの入国前に同申請を行っている場合に限り、「一時的な」特別移動許可証が発行される場合がある。同許可証は、対象者がチリへの入国後10日間の隔離を自宅で実施することのみを保証するもので、正規の特別移動許可証を受給するためには、抗体検査の陽性証明書などの追加書類を提出する必要がある。

(岡戸美澪)

(チリ)

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