UAE、アフガニスタン避難者を一時受け入れ、人道的側面から支援

(アラブ首長国連邦、アフガニスタン、米国)

ドバイ発

2021年08月27日

アラブ首長国連邦(UAE)の外務・国際協力省はアフガニスタン情勢を受けて、8月20日にアフガニスタンから避難するアフガニスタン人5,000人を受け入れると表明した。米国の要請を受けたもので、米国軍用機で避難したアフガニスタン人が第三国へ向かうまでの10日間、一時的に受け入れる措置となる。

アフガニスタンから避難した各国外交団や民間人の多くは、地理的に近く、航空機を受け入れられる大規模な空港があるドバイやアブダビに一時的に避難したと報じられている。日本の在アフガニスタン大使館の職員も英国軍用機でドバイに退避した。

現地メディアは、退避に迅速に協力したUAEに対して、米国、フランス、スペイン、ニュージーランドなどの各国首脳から謝意が伝えられたと報じている。また、連邦外務・国際協力省は18日にも、アフガニスタンを出国したアシュラフ・ガニ大統領とその家族をUAEに受け入れたと明らかにしており〔8月18日付UAE国営エミレーツ通信社(WAM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕、UAE政府としては今のところ、人々の退避という人道的な側面でアフガニスタン情勢に関与している。

一方で、UAE政府はガニ政権の崩壊とタリバンのカブール制圧について、明確な政治的スタンスは示していない。17日の政府の公式な声明も、「アフガニスタンにおける全ての勢力が治安、安定、発展に向けてあらゆる努力をし、兄弟たる人々の希望が達成されることを望む」というものにとどまっている(8月17日付WAM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦、アフガニスタン、米国)

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