新型コロナ・デルタ株への懸念、リオデジャネイロ州中心に広がる

(ブラジル)

サンパウロ発

2021年08月13日

ブラジル保健省が8月11日時点で最新版として公開している「特別疫学報告書(新型コロナウイルス)第74回報告書(7月25日から31日)」(注1)によると、7月25日から31日に実施したサンプル調査で確認された1万2,159の感染例のうち、デルタ型変異株は460例(3.8%)だった(注2)。

第73回報告書(調査実施期間:7月18~24日)では、1万719例に対し、デルタ型が247例(2.3%)、第72回報告書(同:7月11~17日)では、8,143例に対して同135例(1.7%)で、徐々にデルタ型の割合が増していることが分かる。

州別に見ると、リオデジャネイロ州の割合が高く、第74回報告書では460例中、203例(44.1%)がデルタ型だった。これはサンパウロ州の12.0%を上回る。

8月5日付の「CNNブラジル」によると、オズワルドクルス財団(注3)の疫学研究者のディエゴ・シャビエル氏は「リオデジャネイロ州にはこの財団のような機関が幾つかあることで、多くのゲノム解析ができる。そのため、より多くのデルタ型が発見されていると言える。デルタ型は既にブラジル全土で広がっていることは疑いない」と述べている。

(注1)保健省は国内の新型コロナウイルス感染状況を週ごとに報告する「特別疫学報告書」を公開外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。デルタ型変異株のみならず他の変異株についてのデータも確認できる。報告書はポルトガル語。

(注2)「特別疫学報告書(新型コロナウイルス)」の調査期間はいずれも7日ごとだが、州別に集計した変異株の値はいずれも2021年1月10日からの累計値。

(注3)ポルトガル語の名称は「フィオクルス」。保健省所管の国立研究機関で、ゲノム配列の解析を行う機関の1つでもある。

(古木勇生)

(ブラジル)

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