大連、自由貿易試験区で最大1億元を補助

(中国)

大連発

2021年08月25日

中国政府が自由貿易試験区に指定している遼寧自由貿易試験区大連エリアは8月18日、「産業革新特区建設方案」を公布した。

方案では、同エリア内の産業発展支援の目標として、2025年までに域内総生産(GRP)に占める研究開発(R&D)経費支出の割合やハイテク企業数、技術取引成約額、外国高度人材と専門人材の採用人数をそれぞれ倍増させ、ガゼル企業・ユニコーン企業の入居数を計10社まで増やすとしている。

具体的には、新エネルギー産業パーク、生命健康産業パーク、デジタル情報産業パーク、先端設備製造産業パークの4つを重点的に建設する(添付資料表参照)。

また、以下の5つの課題に焦点を当て、15条の優遇策を策定した。

  1. イノベーション・プラットフォームの構築では、国内外の有名な研究機関の入居と産業イノベーション連盟の構築を支援する。うち、R&D機関の設立に対し、最大2,000万元(約3億4,000万円、1元=約17円)までの一時補助金を支給する。
  2. 多角的なイノベーションを推進すべく、イノベーションを推進する主体の倍増計画を実施する。起業投資基金と資本市場のイノベーションに対する支援を強化し、ハイテク企業に対しては、R&D経費増加分の30%の補助金を毎年支給、先進的なハイテク企業には最大1,000万元まで支給する。
  3. 中核技術開発の推進では、国家レベルの検査・測定認証を新規に取得する研究機関に対し、最大1,000万元まで支給する。水素エネルギー産業の重点プロジェクトに対しては、奨励金を最大1億元まで支給する。バイオ、水素、デジタル情報などの先端技術の研究機関の建設に対しては、最大5,000万元までの奨励金を支給する。
  4. ハイテク技術の研究成果の実用化を推進すべく、知的財産による発展促進戦略を実施する。世界初の設備と評されるプロジェクトに対しては、最大1,000万元まで支給する。
  5. イノベーション人材の導入推進のため、人材を集積させ、関連サービスと管理制度を整備する。高度人材による起業に対しては、最大500万元までのR&D補助金を支給する。

遼寧自由貿易試験区大連エリアは今後、実施細則を制定し、各奨励策を着実に実施するとしている。

(李穎)

(中国)

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