海南省、全国初のサービス貿易ネガティブリストを発表

(中国)

広州発

2021年08月04日

中国商務部は7月26日、「海南自由貿易港越境サービス貿易特別管理措置(ネガティブリスト、2021年版)」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表、8月26日から実施する。国務院は2020年6月に発表した「海南省自由貿易港建設全体方案」(2020年6月12日記事参照)でサービス貿易の自由・利便化促進のため、ネガティブリストを制定するとしていた。

同リストには、卸売・小売業、交通運輸、情報通信、金融、専門サービス業など11分野の合計70項目を記載、サービス貿易分野で国内初のネガティブリストとなる。リストに記載のない分野は国外サービス提供者が市場に参入する際に、内国民待遇を与えると規定している。

また、人材分野に関する各種規制を撤廃する。登録計量士、監査設計登録技師、登録消防技師などの資格試験への外国籍人材の受験制限をなくす。交通運輸分野で、外国の船舶検査機構が中国国内で船舶検査事業を展開する際、中国で会社を登記しなければならないという制限を取り消した。専門サービス業では、外資系弁護士事務所の在海南事務所が海南に関わる商事の非訴訟法律事務に従事することを許可し、海南地場の弁護士事務所が外国籍弁護士を招いて外国法事弁護士顧問や香港・マカオ法事弁護士顧問とすることを許可した。金融業の分野では、外国人に対し証券口座や先物口座の開設を許可し、外国人が証券・先物の投資コンサルティングの従業資格などを申請することが可能になった。

海南省統計局によると、2021年上半期の域内総生産(GRP)は前年同期比17.5%増の2,885億8,500万元(約4兆9,059億4,500万円、1元=約17円)、うち第三次産業が23.7%増の1,773億6,700万元と61.5%を占める。

上半期のサービス貿易では、輸出は前年同期比48.6%増の36億8,815万元、うち、運輸サービス65.6%増(16億3,851万元)、通信情報サービス2.6倍(10億1,953万元)、観光業48.3%減(3億1,388万元)となった。輸入は97.2%増の99億8,914万元、うち、通信情報サービス60倍(43億2,737万元)、知識財産権使用料2.2倍(19億7,538万元)、運輸サービス13.3%増(15億5,854万元)と、いずれも大幅に増加した。

王受文副商務部長は「サービス業は海南自由貿易港の3大産業の1つで、ネガティブリストの実施により海南で新たなサービス業を導入、現代サービス業のレベルと競争力を引き上げたい」と述べた。

(梁梓園)

(中国)

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