上半期の投資実績額が前年同期比で16.8%増加、日本は6位に

(インドネシア)

ジャカルタ発

2021年08月10日

インドネシア投資省は7月27日、2021年第2四半期(4~6月)および上半期(1~6月)の直接投資実績額(注)を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。外資企業による第2四半期の投資実績額は前期比4.5%増、前年同期比19.6%増となった。2021年上半期の投資実績額は前年同期比16.8%増加し、同省による2021年の年間目標の48.6%を達成した。

第2四半期の国・地域別投資実績額では、シンガポール系が21億780万ドルで首位だった。次いで、香港系(14億4,950万ドル)、オランダ系(11億900万ドル)と続いた。上半期では、シンガポール系が47億1,180万ドルで引き続き首位。次いで、香港系(22億7,160万ドル)、中国系(16億8,210万ドル)と続いた。第1四半期に7位だった日系企業による投資は、第2四半期には4位と増加傾向にあり、上半期では6位となった(添付資料表1参照)。

上半期の外資企業による投資全体に占める製造業の割合は52.9%となり、最も投資が多かった分野は、基礎金属 ・金属製品・非機械および器具セクターへの投資で、34億7,840万ドル(22.2%)だった。工業省金属・機械・輸送機器・電子総局(ILMATE)のタウフィック・バワジル局長は、今回の投資実績額の結果を受け、「鉄鋼業はこれまで国内経済、特に投資の増加、労働吸収、輸出までに大きく貢献している」とした(「アンタラ」紙7月26日)。次いで、運輸・通信・倉庫が17億5,980万ドル(11.2%)、食品が15億220万ドル(9.6%)、鉱業が14億5,280万ドル(9.3%)、電気・ガス・水道が14億4,580万ドル(9.2%)だった(添付資料表2参照)。

上半期の地域別では、西ジャワ州が30億3,250万ドル(19.4%)で最大となり、ジャカルタ特別州が19億6,590万ドル(12.6%)、北マルク州が14億4,760万ドル(9.2%)、中部スラウェシ州が11億70万ドル(7.0%)、リアウ州が10億720万ドル(6.4%)と続いた。西ジャワ州やジャカルタ特別州などジャワ島が引き続き投資の中心だが、全体ではジャワ島以外への投資が53.0%を占めた。

バフリル・ラハダリア投資相は、政府目標の達成に向けこれからも努力していくとしながらも、「新型コロナウイルスの感染拡大による活動制限もあり、第3四半期の投資実績に影響する可能性がある」とし、第3四半期の見通しが不透明なことを示唆した(「コンパス」紙7月28日)。

(注)BKPM(投資調整庁)は、投資実績額について「投資実現額」という呼称を用いている。

(尾崎航)

(インドネシア)

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