三井物産と米CFインダストリーズ、ブルーアンモニア開発で提携

(米国)

ヒューストン発

2021年08月19日

三井物産と米国の農業用肥料製造・販売会社のCFインダストリーズ(イリノイ州ディアフィールド、以下、CF)は8月9日、米国内でのブルーアンモニアプロジェクトの開発を共同で実施する覚書を締結したことを発表した。

両社は覚書に基づいて米国内のブルーアンモニア生産の実現可能性に関するさまざまな予備調査を実施することを計画しており、調査対象としては、ブルーアンモニア供給とサプライチェーンインフラの構築、二酸化炭素(CO2)の輸送・貯蔵、想定される環境影響、日本やその他の国でのブルーアンモニアの経済性とマーケティングの機会が含まれる。

ブルーアンモニアは一般的に、天然ガスから製造されるアンモニアのうち、副生物のCO2が炭素回収・貯留(CCS)によって分離・除去されたものを指す。ブルーアンモニアの需要は、脱炭素エネルギー源として今後大幅に増加することが想定される。

CFのトニー・ウィル社長兼最高経営責任者(CEO)は「複数の国や産業界が炭素の排出量ネットゼロに向けて計画を策定し続ける中、世界のクリーンエネルギーのニーズを満たすため、ブルーおよびグリーン水素・アンモニアに幅広い関心が寄せられている」「(両社は)ブルーアンモニアが世界のクリーンエネルギーへの移行を加速する上で重要な役割を果たし、ブルーアンモニアの需要が大幅に増加するという信念を共有している」と述べている。

CFは2020年にアンモニア生産ネットワークの脱炭素化を中心に、世界的なクリーンエネルギー経済への移行を支援し加速することに重点を置く戦略を発表した。これまでの取り組みには、ルイジアナ州ドナルドソンビルの複合施設で北米初の商業規模のグリーンアンモニア(注)プロジェクトを開発するための最終合意や、ブルーアンモニア生産を可能にするCCS、その他のCO2削減プロジェクトを開発するためのイニシアチブが含まれる。

(注)再生可能エネルギー電力、水、空気を原料とし、製造時にCO2を排出しないプロセスで製造されるアンモニア。

(沖本憲司)

(米国)

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