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アフガニスタン問題の米中協力、米国の対中政策変更なしには困難との論調

(中国、米国、アフガニスタン)

北京発

2021年08月23日

中国の王毅国務委員兼外交部長は8月17日、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相、米国のアントニー・ブリンケン国務長官と、アフガニスタン情勢について電話会談を行った。王外相はブリンケン国務長官との協議で、中国がアフガニスタンに関して米国と調整・協力する意思があると表明しつつも、「米国は、一方で中国の合法的な権益を損なうような意図的な封じ込めや抑圧を行い、他方で中国に支援や協力を期待することはできない」とし、米国を牽制した。

王外相は、タリバンによるアフガニスタンの首都カブール入り(8月15日)に先立ち、7月28日にタリバン幹部のバラダル師と天津で会談していた。王外相は「アフガニスタンのタリバンが東トルキスタン・イスラム運動など全てのテロ組織との間に明確な一線を引き、断固として闘うことで、地域の安全と安定、開発協力のために障害を取り除くことを期待する」と述べた。バラダル師は「タリバンはいかなる勢力にもアフガニスタンの領土を使って中国に危害を与えることを絶対に許さない」と答えた。

中国のアフガンニスタン問題専門家は、天津での中国とタリバンの代表者の会談は「中国がアフガンニスタン情勢への積極的な関与を求めている」というシグナルとは受け取れないとの見方を示した(「環球時報」、8月17日)。「人民日報」(日本語版)も8月16日、「米国のアフガン撤退後の『空白』を埋める意図は中国にない」と題した記事を配信しており、中国は積極的にはアフガンに関与しない姿勢との論調がみられる。

米中関係をめぐっては、米国の中国への対抗的政策が変わらない限りアフガニスタンについての協力も難しいとの見方がある。蘭州大学アフガニスタン研究センターの朱永彪主任は「中国と米国はアフガニスタン問題で客観的には多くの共通の関心事を持っている」とし、次の3点を指摘した。「第1にアフガニスタンで大規模な騒乱や混乱が起きないようにすること、第2にアフガニスタンでのテロリズムの波及を阻止すること、第3にアフガニスタンであらゆる立場の勢力が参加する体制を構築することを目指すことだ」(「環球時報」、8月17日)。

朱氏は、現在の米中関係の中で「アフガニスタンは両国の協力が可能な数少ない地域の1つ」とする一方、「中国に対する米国の全体的な対立戦略の変更なしに、米国がアフガニスタンから身を引くことに中国が協力することを期待するのは非現実的」と指摘した。

(藤原智生)

(中国、米国、アフガニスタン)

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