7月の失業率は4.6%に低下するも、外出制限の影響あり

(オーストラリア)

シドニー発

2021年08月20日

オーストラリア統計局(ABS)は8月19日、7月の雇用統計を発表し、失業者数(季節調整値)が前月から3万9,900人減少したことを明らかにした。失業率は0.3ポイント低下して4.6%となり、2008年12月以来の最低水準を記録した。ただし、ABSは、今回の失業率の低下は必ずしも労働市場の回復傾向を示すものではなく、ニューサウスウェールズ(NSW)州で6月26日から続く外出制限措置の影響を反映していると分析した。

就業者数は、パートタイム労働者が6,400人増加したものの、フルタイム労働者が4,200人減少し、前月からほぼ横ばいの1,315万6,400人となった。一方、月間総労働時間は0.2%減少して17億7,800万時間、労働参加率は0.2ポイント低下して66.0%となった。また、不完全雇用率は0.4ポイント上昇の8.3%、労働力の未活用率は0.1ポイント上昇の12.9%と悪化した。

失業率を州別にみると、NSW州で0.6ポイント改善して4.5%となったほか、南オーストラリア州(0.7ポイント改善の4.7%)、首都特別地域(0.6ポイント改善の4.3%)、西オーストラリア州(0.5ポイント改善の4.6%)、北部準州(0.2ポイント改善の4.6%)で改善がみられた。一方、ビクトリア州とタスマニア州はどちらも横ばいの4.5%、クイーンズランド州は0.1ポイント悪化の5.2%だった。

ABSによると、外出制限が課されることによって、労働者が職を失うだけでなく、失業者が職探しを諦めて労働市場を離れることから、労働力人口が大幅に減少する傾向が見受けられるという。今回NSW州では、就業者数(3万6,000人減)と失業者数(2万7,000人減)がどちらも前月から大きく落ち込み、労働力人口は約6万4,000人減少した。ABSは「ビクトリア州で外出制限が課された際も失業者数の減少がみられ、2020年7月に1万9,000人減、2021年6月に1万3,000人減を記録したが、NSW州における失業者数の減少幅はこれらを上回っている」と説明した。

ABSはまた、NSW州で労働時間が7.0%と大幅に減少した一方で、就業者数は0.9%減にとどまったことを指摘し、「今回の雇用統計の調査対象期間(7月4~17日)は外出制限措置の2~3週目に当たるが、その段階では雇用は維持され、労働時間が大幅に短縮された」と分析した。

(住裕美)

(オーストラリア)

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