ファーウェイの上半期売上高が約3割減、米国規制で打撃

(中国)

上海発

2021年08月13日

中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が8月6日に発表した2021年1~6月(上半期)の売上高は、前年同期比29.4%減の3,204億元(約5兆4,468億円、1元=約17円)だった。上半期ベースでは、2013年以降8年連続で2桁成長だったが、一転して大幅減となった。2020年の売上高は前年比3.8%増とプラス成長を維持していた。

ファーウェイの事業セグメント別売上高をみると、スマートフォンやタブレットなど消費者向け製品が前年同期比47.0%減の1,357億元とほぼ半減、通信業者向け製品も14.2%減の1,369億元となった。米国政府の制裁措置でファーウェイは、スマホ向け半導体チップの調達ができずスマホの出荷量が急減、通信事業者向け製品も世界各国の通信業者からの受注に苦戦している状況にある。

英国調査会社オムディアの発表によると、2021年上半期の世界におけるスマホの出荷台数は前年同期比17.4%増となった。メーカー別にみると、上位10社のうち、首位のサムスンや2位の小米科技、3位のアップルなどの出荷台数がいずれも大幅増となる中、ファーウェイは66.9%減、世界シェアも13%から4%まで大きく減少した。

ファーウェイは、スマホ事業の縮小を補う新たな収益源を確保すべく、クラウドサービス事業に力を入れるほか、車載モジュールの開発などスマートカー事業を本格的に開始している。2021年上半期において、これら法人向け事業における収入は前年同期比18.2%増と拡大した。

ファーウェイの徐直軍輪番CEO(最高経営責任者)は、同社ウェブサイトで「今後5年間の戦略的目標はお客様や仲間たちと価値あるものを作り、生き残っていくことだ。2021年の消費者向け事業は縮小するが、通信業者と法人向け事業は成長すると確信している」と見解を示した。

(劉元森)

(中国)

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