四川省の各市や重慶市で新型コロナ感染者が相次いで確認

(中国)

成都発

2021年08月02日

中国の四川省成都市では7月27日以降、新型コロナウイルス新規感染者が6人(うち無症状感染者1人)確認された。同市のこれまでの感染事例は外国からの輸入症例に限られていたが、今回は2020年12月以来の本土症例となる。

今回感染が確認された6人のうち4人は、感染者が現在増加している湖南省張家界市に直近滞在しており、現地で感染した可能性が高いとみられている。成都市当局はこれ以上の感染拡大を防ぐため、6人が住む青羊区光華街道優品道曦岸小区と、高新区石羊街道都雅頌居小区、高新区美洲花園68棟の3地区を中リスク地域に指定して封鎖し、近隣の商業施設や飲食店を営業停止とした。一般市民に関しても、現在感染者が増えている張家界市、江蘇省南京市に滞在した市民に対しPCR検査の受診を呼び掛けている。

今回の感染を受け、成都市内では一部影響が出ている。商業施設やオフィスビル、地下鉄の入り口では入場検査が厳格化され始めているほか、市民が密集することを防ぐため、市内各地で実施されていたワクチン接種も一時停止となった。ビジネス面でも影響があり、成都市から他都市への出張の自粛や、成都市発着フライトのキャンセルといった事例が相次いでいる。当地で活動する日系製造業企業の中でも、工場を通常どおり稼働するための人員がそろわないといった影響が出ている。

なお、成都市での感染者が確認される前から、四川省綿陽市で1人、瀘州市で2人の感染が確認され、30日には四川省の隣に位置する重慶市の江津区でも2人の感染者が確認されており、各都市当局は厳格な注意を呼び掛けている。

(寺田俊作)

(中国)

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