7月22日から飲食店内での食事禁止、新型コロナ感染防止規制を再強化
(シンガポール)
シンガポール発
2021年07月21日
シンガポールの新型コロナウイルス政府タスクフォースは7月20日、キャバレー関係者に加え、鮮魚販売業者の間で新型コロナウイルス感染がさらに拡大しているのを受け、同月22日から再び飲食店内での食事を禁止するなど、感染防止策の再強化を発表した。政府タスクフォースは19日から飲食店内での食事の人数上限を5人から2人に引き下げるなど、感染防止策の引き締めを発表したばかりだが、感染者の急拡大を受けて感染防止策を一段と引き締める(2021年7月19日記事参照)。
発表によると、シンガポールは7月22日から8月18日まで経済活動再開の第2段階(フェーズ2厳戒態勢)へと、これまでの第3段階(フェーズ3厳戒態勢)から逆戻りする。
22日から集会の人数を5人から2人へと引き下げ、一般世帯への訪問も1日当たり2人までとする。飲食店内での飲食や、フィットネスクラブなど室内での運動、美容などパーソナルケアサービスのほか、管楽器など息を吹き込む必要のある楽器の室内演奏も禁止する。
会議やイベントなどについては、事前検査なしで開催できる人数を50人に引き下げ、事前検査を行った上で開催できるのは100人までとする。ショッピングモールやショールームの入店客数の上限も10平方メートル当たり1人から、16平方メートル当たり1人へと厳しくする(注1)。
今回の厳格化措置は8月18日までとしているが、2週間後に感染状況を見極めて見直しを行う。財務省は近日中に、今回の厳格化措置によって影響を受ける事業者や労働者への支援パッケージを発表する予定だ。
保健省によると、2回のワクチン接種を完了した人は7月20日時点で279万2,430人と、人口の約50%に達している。オン・イエクン保健相はこの段階で感染防止策を引き締める理由について、60歳以上の高齢者では約20万人がワクチン接種を受けておらず、これら高齢者が感染すれば重症化し、集中治療室(ICU)病床が逼迫するリスクがあると指摘した。政府は8月9日の独立記念日までに人口の3分の2が2回のワクチン接種を終えることを目標としている。
保健省は発表の中で、接種率が向上すれば「適正な時期」にワクチン接種者と未接種者とで区別する措置を再導入すると述べた。接種率が向上した段階で、国家ワクチンプログラムに基づくワクチン(注2)の接種者については、より自由に経済活動やコミュニティー活動、大型イベントへの参加を認める方針。
(注1)7月22日からの新たな感染防止規制の詳細は保健省の7月20日付発表を参照。
(注2)国家ワクチンプログラムに基づくワクチンは、ファイザー・ビオンテック製とモデルナ製。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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