行動制限を強化、モール閉鎖、一般業種は在宅100%へ

(インドネシア)

ジャカルタ発

2021年07月02日

インドネシアのルフット・ビンサル・パンジャイタン海洋・投資調整相は7月1日、ジャワ島とバリ島で新型コロナウイルス対策に伴う緊急活動制限を行うと発表した。対象となる地域は、ジャカルタ特別州、西ジャワ州ブカシ、ボゴール、デポック、バンテン州タンゲラン、バンドン、スマラン、スラバヤ、デンパサールなどで、ジャワ島とバリ島のほぼ全域が対象となる。実施期間は7月3日~20日。また、新規感染者数を1日1万人以下に抑え込むという目標も発表した(添付資料参照)。

ジェトロが入手した政府資料によると、制限の主な内容は以下のとおり。

1.出勤可能な人員の制限

(1)職場・オフィスへの出勤を禁止し、在宅勤務100%とする。

(2)保健プロトコルの徹底により、エッセンシャルセクター(注1)は最大50%まで、クリティカルセクター(注2)は最大100%まで出勤可能。

(3)建設活動はより厳格な保健プロトコルの実施により、100%態勢で活動可能。

2.全ての教育および学習活動はオンラインで実施。

3.商業施設、飲食店などの営業時間・定員

(1)生活必需品を販売するスーパーマーケット、伝統市場、食料品店の営業時間は午後8時まで、訪問者数は50%に制限。薬局・ドラッグストアは24時間営業が可能。

(2)ショッピングセンター、モールは閉鎖。

(3)飲食店は、デリバリーか持ち帰りのみの営業可能。店内飲食は不可。

4.礼拝施設は閉鎖。

5.公園、公共観光スポットなどの公共施設は閉鎖。

6.芸術・文化、スポーツ、社会活動は禁止。

7.公共交通機関は、搭乗者を定員の70%に制限した上で運行可能。

8.結婚披露宴は、出席者を最大30人に制限した上で開催可能。披露宴での飲食は不可。

9.飛行機、バス、電車などの長距離輸送を使用する旅行者は、少なくとも1回目のワクチン接種を示す証明書を提示すること。加えて、飛行機に搭乗する場合は、出発前2日以内に検体採取したPCR検査の陰性証明書、飛行機以外の公共交通機関に乗車する場合は、出発1日以内に検体採取した抗原検査の陰性証明書を提示する必要がある。

上記の制限に加えて、政府は各州の1日当たりの新型コロナウイルス検査実施人数の目標を定めた。ジャカルタ特別州は12万人、西ジャワ州は10万人、バンテン州は2万5,000人。

(注1)エッセンシャルセクターは、金融機関・銀行、資本市場、決済システム、情報通信、隔離業務を行わないホテル、輸出指向型産業。

(注2)クリティカルセクターは、エネルギー、保健、セキュリティー、物流・運輸、飲食品関連産業、石油化学、セメント、国の重要施設、災害管理、国家戦略プロジェクト、建設、電気や水道(基礎ユーティリティー)、生活必需品産業。

(尾崎航)

(インドネシア)

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