新議会が始動、議長・副議長には中道派や右派の議員選出

(ペルー)

リマ発

2021年07月27日

ペルー議会は7月23日、国会議員選挙(4月11日)で当選した、2021~2026年会期を担う議員130人による宣誓式を行った。新議会は10の政党が乱立しているが、各政策委員会に属するには5議席以上を有していなければ党派として認められないため、3議席のみのモラード(むらさき:PM)党はその権利がない。議席数順では、次期大統領のペドロ・カスティージョ氏を擁立した急進左派のペルーリブレ(ペルー自由:PL)党が37議席で最大となっている。次いで、大統領選の対立候補だったケイコ・フジモリ氏を党首とする右派のフエルサ・ポプラール(人民勢力:FP)党が24議席で筆頭野党だ。また、中道派からはアクシオン・ポプラール(人民行動:AP)党16議席、アリアンサ・パラ・エル・プログレッソ(進化のための同盟:APP)党15議席、右派のレノバシオン・ポプラール(人民一新:RP)党13議席、アバンサ・パイス(国よ進め:Avanza Paíz)党7議席、その他(注)、ソモス・ペルー(われわれはペルー:SP)党とポデモス・ペルー(できるぞペルー:PP)党がそれぞれ5議席獲得している。

26日には129人の議員の出席の中で新たな議長・副議長の選出が行われた。AP党から新議長に立候補した弁護士のマリア・デル・カルメン・アルバ・プリエト議員が69票を獲得し、第2候補のRP党のホルヘ・カルロス・モントーヤ・マンリケ議員を抑え、新議長に選出された。投票には50票もの白紙が投じられたが、これはPL党などからの第3の候補者リストが最終的に認められなかったことに対する抗議とみられている。さらに、第1副議長にはAPP党のレディ・メルセデス・カモネス・ソリアーノ議員、第2副議長にPP党のエンリケ・ウォン・プハーダ議員、第3副議長にはアバンサ・パイス党のパトリシア・ロサ・チリノス・ベネガス議員が選出された。アルバ新議長は議長宣誓の後に「自由な国を夢見た独立の英雄たちのためにも、各党派の個別利益より結束を呼び掛けることを議長としての第一声としたい」として協調を呼び掛けた。

一方で、28日に就任式を迎えるカスティージョ次期大統領の組閣人事については依然として発表はないが、与党PL党の議席数は過半数に届いていないこともあり、政権と議会の対立構図は継続するとの見方が大勢を占めている。

(注)SP党もPP党も右派または中道右派とされているが、前の議会では大衆迎合政策に傾倒する場面も多く、中道左派として分類されることもある。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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