礼拝時間中も小売店などの営業が可能に

(サウジアラビア)

リヤド発

2021年07月19日

ムスリム国家のサウジアラビアでは、これまで小売店、スーパーマーケットなどのサービス業、映画館など、対顧客ビジネス活動を行う店舗では、礼拝時間中には一時的な閉店が義務付けられていたが、2021年7月15日付のサウジ商工会議所連盟の回覧文書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにより、規制が緩和され、礼拝時間中にも営業することが可能となった。

回覧文書によると、「新型コロナウイルスのまん延と顧客の健康と安全性を考慮して、礼拝時間中の一時閉店時に長時間待機することや、(礼拝時間の閉店時以外の時間帯の)混雑などを回避するとともに、買い物客へのサービスの向上」を目的として、「各店舗などの商業活動は、労働者と顧客が礼拝を行うことを妨げないよう調整しながら、礼拝時間中も商業活動を継続する」ことが可能になった。

礼拝時間中の店舗の一時閉鎖(サービスの一時停止)については、過去数年にわたり、何度も緩和の議論がなされてきた。直近では、2021年6月に当地の国会に当たるシューラー議会(任命制)の一部議員らが、礼拝時間中の閉店義務緩和の提案書を議会に提出したことで規制緩和が見込まれていたが、6月20日の議会以降、議論が延期になっていた。

今回は、シューラー議会での決定を経た政府からの発表ではなく、商工会議所連盟からビジネス界への通達という方法で、賛否両論あった長年の議論に結論が出た格好となった。国家改革「ビジョン2030」などで社会の変化が進む中、非ムスリムの外国人にとっては、当地での生活がしやすくなる規制緩和になった。

(柴田美穂)

(サウジアラビア)

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