新型コロナワクチン接種第2フェーズへ、第3波の懸念も

(ナイジェリア)

ラゴス発

2021年07月15日

ナイジェリア国家プライマリーヘルスケア開発庁(NPHCDA)のファイサル・シュアイブ長官は7月13日、ワクチン接種の第1フェーズを終了し、今後数週間のうちに第2フェーズの接種を開始できるよう準備を進めていると発表した。同長官は、第2フェーズでは妊娠中および授乳中の女性を含めた18歳以上の全ての国民が接種可能と述べ、ワクチン接種を推奨した。

ナイジェリア政府は、3月にCOVAXファシリティを通じてオックスフォード・アストラゼネカ(以下、アストラゼネガ)製ワクチンを計402万4,000回分入手しており、98%に当たる393万8,000回分のワクチン接種を実施した。これまでのワクチン接種後の副反応のうち、重症とされたのは148件のみで、ワクチン接種に関連した死亡例はなかった、と報告した。

7月から9月にかけて、合計4,128万2,000回分のワクチンがナイジェリアに出荷される予定だ。内訳と時期は以下のとおり。

  • COVAXによるアストラゼネカ製ワクチン392万4,000回分(7月末~8月初旬)
  • 米国政府がCOVAXへ寄付したファイザー・ビオンテック(以下、ファイザー)製ワクチン393万1,000回分(8月)
  • COVAXによるファイザー製ワクチン357万8,000回分(7月~9月末)
  • アフリカ連合委員会(AUC)によるジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチン2,985万回分(9月末まで)

超低温保存を要するワクチン入手に当たって、ナイジェリア連邦政府はU701型超低温冷凍庫を60台調達しており、全国に配備する予定だ。また、ナイジェリア連邦保健省とその関連機関は、地元パートナーのバイオワクチン・ナイジェリアを支援し、ワクチンの現地生産を目指すとした。

ナイジェリアでは2021年1月に感染拡大第2波を記録したが、3月以降は感染状況が落ち着いていた。政府は水際措置として、5月4日から変異株発生国のインド、ブラジル、トルコの3カ国、6月28日からはデルタ変異株の感染が拡大している南アフリカ共和国からの入国制限を行っていた。しかし、ナイジェリア疾病予防管理センター(NCDC)は、7月8日にナイジェリアへの渡航者から初のデルタ変異株を検出したと発表した。ラゴス州のババジデ・サンウォオル州知事は7月11日、同州を中心に7月初旬から新規感染者数が増加傾向にあり(オックスフォード大学「Our World in Data」参照)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、検査陽性率は6月末の1.1%から7月8日時点の6.6%に上昇したとし、感染第3波への懸念を示した。

(馬場安里紗)

(ナイジェリア)

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