大統領選予備選挙、中道右派と左派の候補者出そろう

(チリ)

サンティアゴ発

2021年07月26日

チリで7月18日、大統領選挙(11月21日)へ向けて各党派の候補者を選出する予備選挙が行われた。現政権の流れをくむ中道右派連合(Chile Vamos)からは、独立民主同盟党(UDI)のホアキン・ラビン氏、国民革新党(RN)のマリオ・デスボルデス氏、政治進化党(EVOPOLI)のイグナシオ・ブリオネス氏、無所属のセバスティアン・シチェル氏の4人、左派連合(Apruebo Dignidad)からは、社会収束党(CS)のガブリエル・ボリッチ氏、チリ共産党(PCCH)のダニエル・ハドゥエ氏の2人がそれぞれ立候補した。投票数は有権者全体の約2割に相当する314万3,006票にとどまった。

投票結果(開票率100%)は、中道右派連合ではセバスティアン・シチェル氏が65万9,570票(得票率:49.08%)を獲得し、有力候補との呼び声が高かったホアキン・ラビン氏(31.30%)を約18ポイント上回り、同連合の公認候補に選出された。シチェル氏はかつて中道左派のキリスト教民主党(PDC)に所属していた経歴を持ち、セバスティアン・ピニェラ現政権では、無所属ながら社会開発家族相やチリ国立銀行のトップを務めた。

左派連合では、105万8,027票(得票率:60.43%)を獲得したガブリエル・ボリッチ氏が選出された。ボリッチ氏は大統領選への立候補が可能な最低年齢の35歳と候補者の中で最も若く、2014年から現在まで下院議員を務めているほか、2019年10月の反政府デモ発生後、新憲法制定に至る交渉プロセスを推進した議員の1人でもある。

今回の予備選挙で選出された2人に加え、8月23日の大統領選登録締め切りまでに、予備選を行わなかった中道左派連合(Unidad constituyente)からも候補者が選出される予定となっており、現時点では社会党(PS)のパウラ・ナルバエス氏や、現上院議長でPDC所属のジャスナ・プロボステ氏らの名が有力候補として挙がっている。

(岡戸美澪)

(チリ)

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