日本~香港間で初となる再生医療フォーラム開催

(香港、日本)

香港発

2021年07月09日

ロート製薬と同社の香港先端研究拠点Rohto Advanced Research Hong Kong(以下、ロート香港)は6月29日、香港政府系イノベーション促進機関である香港サイエンス&テクノロジーパークス(HKSTP)と共催で、第1回ロート再生医療フォーラム「1st Rohto Forum for Regenerative Medicine」を開催した。再生医療研究で世界トップレベルにある日本と、政府を挙げてイノベーションを推進する香港が共同で実施した再生医療に関する初めてのフォーラムで、日本と香港から合わせて382人がオンライン参加し、関係者の関心の高さを示すイベントとなった。

冒頭のあいさつで、HKSTPの黄克強(アルバート・ウォン)総裁は、香港の良好なイノベーション環境と日本との協業に関する期待を述べた。また、バイオメディカルクラスターの高為元(ジョン・カオ)高級総監は、香港の充実した補助金制度について紹介し、日系企業の利用を促した。

2つのセッションでは、まず「トランスレーショナルリサーチ」をテーマに、香港中文大学の段崇智学長が座長となり、4人の研究者が治癒促進のための生体内微小環境の調整、網膜色素変性症や肺線維症などに関し報告、意見交換を行った。「臨床研究」のセッションでは、日本再生医療学会の前理事長の澤芳樹・大阪大学教授が座長を務め、4人の研究者が前十字靭帯(じんたい)再建術の治癒促進、間葉系幹細胞の臨床応用などを報告し、意見交換が行われた。

閉会あいさつに登壇したロート製薬の山田邦雄会長は、今回のフォーラムを契機に日本と香港の研究者間交流がさたに進むよう期待を寄せるとともに、第2回フォーラムの開催にも前向きに検討するとした。

フォーラム後、ロート香港の小林英二総経理は「再生医療に対する期待の高さと、学術的なセミナーだったことが参加者の関心の高さにつながったのではないか」とし、「日本からの参加者にも、香港の魅力的な補助金制度について理解してもらえたと思う。今後、日本と香港間の提携が進むことを期待している」とコメントした。

フォーラムの概要は添付資料参照。

写真 フォーラム後、登壇者全員で記念撮影(ロート香港提供)

フォーラム後、登壇者全員で記念撮影(ロート香港提供)

(渕田裕介)

(香港、日本)

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