リトアニア大統領、不法移民対処へ外国人の法的地位に関する改正法に署名

(リトアニア、ベラルーシ)

ワルシャワ発

2021年07月27日

リトアニアのギターナス・ナウセーダ大統領は7月21日、ベラルーシ国境からの不法移民の急増に対応するため、「外国人の法的地位に関する法律」(Law on the Legal Status of Aliens)の改正法に署名した。改正法は7月13日に議会が可決したもので、難民認定処理の迅速化と同時に、難民申請を目的にリトアニアに来た者の入国が違法だった場合には、当該難民申請者を拘束する、または、申請者が収容施設から離れる権利を剥奪するなど、難民申請者の一部の権利を制限するものとなっている。

リトアニアでは2021年に入って、ベラルーシ国境沿いから越境する不法移民の数が増加している。それに対応するためリトアニア政府は7月2日に非常事態宣言を発動した。2021年の不法移民者数は7月22日時点で2,338人で、2020年の81人を大きく上回っている。

リトアニア政府は不法移民流入の背景として、EUから制裁を受けたベラルーシが報復として移民を意図的にリトアニアへ越境させていると主張、ベラルーシ政府が不法移民を武器としてリトアニアとEUを攻撃しているとして非難している。

(吉戸翼)

(リトアニア、ベラルーシ)

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