米カリフォルニア州知事リコール選挙、候補者は最終的に46人に

(米国)

サンフランシスコ発

2021年07月28日

米国カリフォルニア州のシャーリー・ウェバー州務長官は7月21日、9月14日に実施されるギャビン・ニューサム知事(民主党)解職の是非と後任知事を決める住民投票(リコール選挙、2021年7月5日記事参照)の認定候補者一覧PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。

州知事への立候補が正式に認められたのは計46人。地元メディアの報道では、一時は80人以上が立候補の意思を表明していたとされる(「サンフランシスコ・クロニクル」紙電子版7月19日)。ウェバー州務長官は21日の認定候補者の発表に先立ち、立候補資格・要件を満たした候補者41人の一覧を17日に発表していた。しかし、提出した所得税申告書類に不備があったとされて一覧に掲載されなかった候補者の1人の保守系トークラジオ番組ホストのラリー・エルダー氏が19日、ウェバー州務長官を相手取って訴訟を提起。大統領選挙予備選あるいは州知事選挙予備選に出る候補者は2019年に成立した州法(SB 27)により直近5年間の所得税申告書類を提出する必要がある。ウェバー州務長官は、SB 27が今回のリコール選挙にも適用されるとして候補者の要件に含めたが、サクラメント郡上級裁判所は21日、「リコール選挙は通常の予備選挙ではない」として要件からの削除を命じた。この判決により、エルダー氏のほか少なくとも3人が正式に候補者として認められた(「サンフランシスコ・クロニクル」紙電子版7月21日)。

46人の候補者を党派別にみると、共和党が最も多く24人、次いで、無党派が10人、民主党が9人、緑の党が2人、自由党(リバタリアン)が1人となっている。共和党からは元下院議員ダグ・オシ氏など政治経験のある候補者数人が立候補する一方、民主党候補者で現役政治家や政治経験者はいない。知名度が高い民主党候補者には、不動産・投資情報を発信するユーチューブ・チャンネルを持つ「ミート・ケビン」ことケビン・パフラス氏がいる。パフラス氏の公式サイトでは「このリコール選挙で共和党が勝利すれば(民主党が圧倒的に優位な)議会は機能不全に陥り、2022年の総選挙まで何も成し遂げられないだろう」と、民主党員だけでなく共和党員にも自身への投票を呼び掛けている。

(田中三保子)

(米国)

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