エクアドルが11年ぶりにICSID条約に復帰

(エクアドル)

米州課

2021年07月29日

国家と他の国家の国民との間の投資紛争の解決に関する条約(ICSID条約)批准の大統領令が7月21日に官報公示された。エクアドルは元々1986年に同条約を批准していたが、2009年に同条約からの脱退を表明し、翌2010年に正式に離脱していた。よって、11年ぶりにICSID条約に復帰したこととなる。

投資紛争解決国際センターのメグ・キニア事務局長はエクアドルのICSID条約復帰を歓迎しており、「ICSID条約の批准によりエクアドルは投資環境を強化し、リスクを低減させ投資家の信頼を高める。そして重要な外国投資を呼び込み、多くの発展の機会を生む」とコメントしている。

2021年5月に新大統領に就任したギジェルモ・ラッソ大統領は開放的な経済政策を掲げている。外資誘致にも積極的に取り組む姿勢をみせており、今回のICSID条約復帰もその一環となる。

ICSID条約は、エクアドルを含む世界156カ国・地域で批准されている国際投資紛争の調停と仲裁のための条約だ。日本とエクアドルの間に投資協定は存在していないが、両国ともICSID条約の批准国となったため、日本からエクアドルへの投資の際の安心材料が増えたことになる。

(佐藤輝美)

(エクアドル)

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