英スタートアップが登壇、関西企業向けオンラインピッチイベントを開催

(英国、大阪)

ロンドン発

2021年07月16日

ジェトロは7月1日、大阪イノベーションハブ(OIH)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注)と共催で「ジェトロ・ロンドンネットワーク Startup企業ピッチ」を開催した。スマートシティとスマートファクトリーをテーマに、英国のスタートアップ2社が日本企業との協業やサービス導入を目指してピッチを行った。

はじめに、ウルトラリープ(Ultraleap外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)からジャパン セールス&ビジネスディベロップメント ディレクターの森伸樹氏が登壇した。同氏は、仮想空間で使用できる直感的で自然なコントローラーの提供を目指していることを紹介。同社の非接触ハンドトラッキング技術では、両手両指を同時に検出し、複雑な指の動きの認識が可能。また、超音波を利用して空間で感触を生み出すことができるミッドエアハプティクス技術も提供しており、これらの技術を拡張現実(AR)/仮想現実(VR)、車のコンソール、広告パネル、キオスク端末、POS(販売時点情報管理)端末、ATMなど、さまざまな用途に活用することを目指している、と説明した。

写真 ハンドトラッキング技術(左)、ミッドエアハプティクス技術(右)(ウルトラリープ提供)

ハンドトラッキング技術(左)、ミッドエアハプティクス技術(右)(ウルトラリープ提供)

続いて、スマーティア(Smartia外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)のコマーシャルディレクターのアシム・マジット氏が登壇した。同氏は、スマートファクトリーの実現に貢献するため、IoT(モノのインターネット)と人工知能(AI)技術を組み合わせた「MAIO」インテリジェンスプラットフォームを紹介。「MAIO」は、機械や設備に取り付けられたセンサやカメラからのデータを活用し、機械学習を応用することで、在庫管理の最適化や予知保全などのソリューションを一元的に提供する。さらに、データの専門知識がなくても使用することができ、既に英国航空機エンジン製造大手ロールスロイスにもサービスを提供していることを紹介した。

写真 「MAIO」インテリジェンスプラットフォーム(スマーティア提供)

「MAIO」インテリジェンスプラットフォーム(スマーティア提供)

2社のピッチに先立ち、ウェビナー冒頭では、大阪産業局でOIH担当の田中彩葉氏がOIHの取り組みを紹介。OIHは、イノベーション創出のエコシステムを大阪に生み出すことを目標とし、世界に挑戦するスタートアップに向けたイベントやプログラムを年間200回以上実施していることを紹介。また、会員組織「OIHメンバーズ」には、起業家などのプレイヤー会員が900人以上、プレーヤー会員を支援する団体や企業などのパートナー会員が350人以上参加しており、同組織に登録することで、ネットワーキングや限定イベント参加が可能になると呼び掛けた。

(注)大阪市が設置している、世界に挑戦する起業家や技術者が集まるイノベーション創出拠点。

(宮口祐貴)

(英国、大阪)

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