国家発展改革委、電力価格政策の調整を表明

(中国)

北京発

2021年07月02日

中国政府網は6月24日、ネットユーザーからの「住民用電力の段階的価格制度をより整備し、都市・農村の住民がより多くのクリーンな電力資源を利用するよう奨励することを提案する」というコメントに対する国家発展改革委員会の回答外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公開した(注)。

同委員会は、中国の住民用電力価格は国際水準と比べて低い一方、工業用電力価格は高いという認識を示した。その上で、電力価格の市場化改革への要求に基づき、住民用電力の段階的価格制度をより整備し、電力価格に対する補助を縮小、電力価格により電力供給コストを反映するとともに、電力使用コストや電力需給、資源の希少性を反映した住民用電力価格メカニズムを形成するべきとコメントした。

また、都市・農村の住民に対して、クリーンな電力の使用を奨励し、暖房における石炭使用を減らすため、2017年9月に公布した「北方地域のクリーン暖房供給価格政策に関する意見」(発改価格[2017]1684号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのように、「燃料を石炭から電力に転換した」地域において、電力販売価格をピークに応じて調整する制度の整備、住民用電力の段階的価格制度の最適化、取引メカニズムの市場化の推進などにより、クリーン暖房用電力の使用コストを引き下げるとしている。

国家発展改革委員会は、住民用電力価格などの各種の電力価格に関する調整を進める方針だ。同委員会は2021年5月25日、中国政府が目標に掲げる、2030年までのカーボンピークアウト、2060年までのカーボンニュートラル達成などを目的として、「第14次5カ年(2021~2025年)規画期間の価格メカニズムの改革に関する行動方案」(発改価格[2021]689号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。エネルギー価格の分野では、電力価格の改革、グリーン電力価格政策の改善などを推進する方針を盛り込んだ。電力価格の改革に向けては、石炭火力およびガス火力・水力・原子力発電の送電価格の市場化をより一層進め、風力・太陽光発電などの価格形成メカニズムを改善するほか、住民用電力の段階的価格制度を完備することが明記された。グリーン電力価格政策としては、エネルギー消費と排出量が多い産業に対し、差別化された電力価格や段階的な価格付け政策を実施することを盛り込んでいる。

(注)国家発展改革委員会は2012年6月14日、単一電力価格制度から段階的電力価格制度への移行を発表し、同年7月1日から全国で実施していた。同制度によって、住民生活用電力の価格は使用量に応じて3段階に区分されている(国家発展改革委員会公式サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(趙薇)

(中国)

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