5月のサービス生産量、新型コロナ感染拡大前の水準まで回復

(ブラジル)

サンパウロ発

2021年07月30日

ブラジル地理統計院(IBGE)は7月13日、5月の月間サービス生産量調査(PMS、注)を発表した。指数は89.7で、前月比1.2%増加(季節調整値)した(添付資料表参照)。ブラジルで初めて新型コロナウイルス感染が確認された2020年2月のサービス生産指数を0.2ポイント上回った。

2021年4月も前月比1.3%増加した。これは、2021年4月以降、国内各州で新型コロナウイルス感染拡大による経済活動制限が徐々に緩和されていることに伴うもの。

IBGEによれば、2021年5月の結果で注目すべきは、前月比3.7%増加した「輸送・運送・郵便支援サービス」、および、17.9%増となった「家庭向けサービス」。「輸送・運送・郵便支援サービス」の中でも特筆すべき業種としてIBGEは、航空旅客輸送、港・客船ターミナルの管理、バス旅客、空港運営、高速道路のコンセッション、郵便を挙げている。IBGEのホドリゴ・ロボ調査部長は「中でも航空券価格の低下などが大きく影響し、航空輸送のサービス生産量は60.7%となった」と述べている。国家航空庁(ANAC)のデータによれば、2021年4月の国内線乗客数は264万人だったところ、5月は363万人と、航空輸送サービスの利用者が増加した。「家庭向けサービス」の増加の理由としては、レストラン、ホテル、バー、ビュッフェサービス、フィットネスなどが押し上げ要因になった。サンパウロ州では、4月30日付州政令第65,663号や5月7日付州政令第65,680号により、5月からレストランやバーの営業時間が延長された。サンパウロ市内の店には仕事終わりに集まる人々の姿が徐々に増えた。

(注)医療と教育を除く主に非金融分野のサービスにおいて、国内で法人登録のある20人以上を雇用した企業のサービスにおける総収入調査。サービス分野の動向を定期的に把握する調査。

(古木勇生)

(ブラジル)

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