4~6月の失業率は4期連続で改善

(香港)

香港発

2021年07月27日

香港特別行政区政府の統計処は7月20日、2021年4~6月期の失業率(季節調整済み、速報値)が同年3~5月期から0.5ポイント改善して5.5%となったと発表した(添付資料図参照)。約17年ぶりの高水準となった2020年12月~2021年2月期の7.2%以降4期連続で改善した。

業種別にみると、小売り・宿泊・飲食業などの個人消費や観光に関連するセクターが2021年3~5月期から0.9ポイント改善して8.5%となり、中でも飲食業は1.3ポイント改善し、10.0%となった。

政府労働・福祉局の羅致光局長は発表に際し、「香港域内の新型コロナウイルス感染状況は管理された状態にあり、外部環境も改善する中で経済の回復に伴い、労働市場も改善をみせた」とコメントした。今後の労働市場については「経済の回復が継続することにより、さらなる改善が期待できる」としたほか、8月から配布が予定される市民1人当たり5,000香港ドル(約7万円、1香港ドル=約14円)の電子消費券が経済活動のさらなる活性化に寄与するとの見方を示した。

ING銀行の中国担当エコノミストのアイリス・パン氏は「レストランをはじめとするさまざまなサービス業が従業員を雇い始めており、経済は勢いを増している。他方で、特に中国本土との往来が完全に再開するまでは、雇用環境が新型コロナ感染拡大前の水準に戻ることはないだろう」と述べた(「サウスチャイナ・モーニングポスト」紙7月21日)。

(野原哲也)

(香港)

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