政府、サプライチェーン強化に寄与する対内直接投資を支援

(韓国)

ソウル発

2021年07月05日

韓国産業通商資源部は6月24日、関係省庁や自治体、関連政府機関の参加の下、2021年第1回外国人投資委員会を開催し、「先端外国人投資誘致戦略」を決定した。同戦略は、半導体やワクチン、二次電池など戦略物資に対するサプライチェーンの強化や再編が世界的に行われる中、韓国のサプライチェーン確保に寄与し、若年層の雇用創出、地域経済の活性化などに貢献する対内直接投資(FDI)を積極的に誘致すること目的としている。主な施策は以下のとおり。

1.K-ニューディール/先端素材・部品・装置に焦点を当てた対内直接投資誘致

バリューチェーンの変化や産業政策上の重要性などを考慮し、今後、「36分野184品目」を重点誘致分野・品目として選定する。品目別に素材・部品・装置投資機関協議会(KITIA)や大韓貿易振興公社(KOTRA)などの投資誘致機関が保有する企業リストなどを通じ、投資誘致候補企業を発掘する。8月以降、半導体や電子部品産業向けにIRイベントを開催するとともに、特定企業に対しても投資誘致を働きかける予定(注1)。

2.地域連携対内直接投資誘致プラットフォームの高度化

「産業集積活性化および工場設立に関する法律」(注2)に基づき、国内企業との素材・部品・装置技術の商用化・技術協力を支援する「外国人投資連携国際共同R&D」プログラムを新設する。

3.対内直接投資誘致インフラの高度化

関係省庁が協力し、誘致した外資系企業に供給する人材育成を推進、外資系企業の特殊性(働き方や語学)を考慮した「外資系に特化した仕事・学習プログラム」を開発し、訓練費用と共同訓練センターの活用を支援する。

(注1)一例として、素材・部品・装置分野については、EU、米国、日本の特定企業10社に対して、IRを開催し、投資誘致を行うとしている。

(注2)「産業発展法」における先端技術・製品、「租税特例制限法」における新成長・基盤技術を伴う事業に対し、既存の工業団地などを活用し、先端産業協力団地とする法律。入居企業に対しては、補助金支援、税制優遇、入居費用の減免などのインセンティブが付与される。

(当間正明)

(韓国)

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