河南省、豪雨で災害警戒レベルを1級に引き上げ

(中国)

武漢発

2021年07月21日

中国・河南省政府は7月21日、同省の洪水防止緊急対応レベル(注)を2級から1級に引き上げたと発表した。同省では7月17日から各地で断続的な豪雨が続いており、省都の鄭州市では、20日午後4~午後5時の1時間に200ミリを超える記録的な豪雨が観測され、道路や地下鉄では冠水や浸水などの被害が発生している。市内の地下鉄は全線で運行を停止しており、高速鉄道のターミナルの鄭州東駅では160本の列車が運休となっている。また、同省では25本の高速道路が閉鎖されている。この豪雨の影響で、被害の大きかった鄭州市では21日までに12人の死亡が確認され、約10万人が避難している。

一部の河南省進出日系企業もこの豪雨の対応に追われている。鄭州市では、道路の冠水で従業員の出勤や工場の操業などに影響が生じているケースも確認されている。今後も断続的に豪雨が発生する場合、工場の浸水などの被害が発生し、臨時休業を余儀なくされる企業が出てくることも懸念される。

河南省では消防救援隊などが災害救援活動に当たっているほか、河南省政府は「河南豪雨救援電話サービス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を立ち上げ、緊急時の連絡を呼び掛けている。

(注)洪水災害に関する警戒レベルで、1級(特に重大)、2級(重大)、3級(比較的重大)、4級(一般)の4段階から成る。1級は、多くの地点で重大な洪水被害が発生し、都市部での浸水被害によって市民生活などにも重大な影響が発生している状態などを指す。

(片小田廣大)

(中国)

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